記事「外国人」 の 検索結果 4962 件
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十四 ジグソーパズル(3)九鬼はと言えば、両手の中の小さなプラスティック部品を、光に翳してみたり、机の上を転がしてみたりして、ぶつぶつと独り言を呟いていた。 「これじゃないですかね、班長」 大林が一通の事件記録を、中止..
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十四 ジグソーパズル(2)九鬼は証票(入国管理手帳)に挟んであるメモ帳に、日付を打って思いつくままに書き込みを入れるのが常だった。摘発日記のようなものだ。 ときには、書いた本人も意味が分からないような記載もあったが、その..
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十四 ジグソーパズル(1)九鬼と大林は、過去の記録から千葉県にある工場を探し出した。 そこは九鬼が未だ主任と呼ばれる警備士補だった七年前、摘発を実施した工場だった。 二人は再びそこを訪ねることにした。 そこは国道沿..
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十三 崩壊してゆく絆(10)やはり素直に喜んでやるべきだったのか、しかしどこか素直には喜べない自分に腹を立てていた。どこかに浅ましい気持ちを持っていることに、薄々気付いていながら、綺麗ごとだけを言っている自分に腹を立てていたの..
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十三 崩壊してゆく絆(9)中国人の夫と上手く行っていないと、そう言っていたメイランに、自立を促したのも片岡だった。 だが片岡の言っている自立した女性になってしまえば、自分から離れて行ってしまうのではないかと、片岡は心配し..
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十三 崩壊してゆく絆(8)このところ連絡が取れないでいた。電話にも出ない。 片岡も仕事に集中して、メイランのことは忘れていようと思うのだが、外国人を相手にしている外国人登録係では、次々に現われる外国人が全てメイランに見え..
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十三 崩壊してゆく絆(7)稲山は埼玉県警から依頼された事件の調査ということで、反対はしなかったが、池袋の失態を取り戻すことを、その条件にしたのだった。 「九鬼ちゃん、埼玉県警も良いけど、俺と九鬼ちゃんのところの小山でやった..
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十三 崩壊してゆく絆(6)出社しているにも関わらず、摘発できなかったというのは、早々あることではない。しかも、翌日、出頭させているとなっているが、その記録が見当たらなかったのだ。 そこで九鬼はその現場に行ってみることにし..
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十三 崩壊してゆく絆(5)失敗に終わった池袋の摘発の反省会議を欠席した九鬼は、海老川から見せられた写真の男と、どこで出会ったのかということを思い出すのに縛られていた。 大林とともに、九鬼が摘発業務に従事するようになってか..
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十三 崩壊してゆく絆(4)「どっちの言うことを信用したら良いんでしょうかね」 「どっちも信用するしかないさ。少なくとも誰の責任かとか言わないところが好ましい」 「そうですか。班長のカレンダーが原因だって言う奴もいますよ。流..
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十三 崩壊してゆく絆(3)「言いたいのは、それだけか。俺は待ってくれと言っているんだぞ。まさか連れてきた奴が、既に旅券を持っていたなんて、連れて来たお前だって考えてもみなかっただろうに。 だから使えないんだよ。それくらいは..
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十三 崩壊してゆく絆(2)「俺はこれまでもあんたの言うとおりに動いてきた筈だ。それもこれもあんたが俺の面倒を見てくれると信じたからだ。 新宿であんたが福建の奴らに襲われて、瀕死の状態だったのを助けたことは、あんたが忘れよう..