記事「外国人」 の 検索結果 4962 件
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十 荒れる対策会議(11)「いやあ、誰がと言っているのではないよ。それは警察かもしれないし、我々だって、・・・・・。可能性を言っているだけだよ、飽く迄もね。そりゃあ私だってそんなこと思っている訳ではない」 大戸がそう答えた..
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十 荒れる対策会議(10)「可能性としては否定できませんが、そんなことは考えたくもないですね」 大戸は当たり障りのない、そうかと言って完全に否定するでもない、曖昧な言い方をしていた。 それが大戸の保身から発していたもの..
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十 荒れる対策会議(9)こんな実りのない会議を、とにかく早く終わらせたいと思う者たちと、普段から良く思っていない者の個人責任を追及したいと思う者たちとの鬩ぎ合いの中で、話は次第にややこしくなっていった。 収拾がつかなく..
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十 荒れる対策会議(8)「ああ、まだ九鬼班長から摘発結果報告書が上がってきていないので、私には分かりません」 寝起きを襲われた草食獣のように、目を瞬かせながら坂垣は、そう答えるだけで手一杯だった。 「そうだ、何で九鬼は..
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十 荒れる対策会議(7)野木は来月に結婚式を予定しており、式場めぐりや何かで忙しい身の上だった。 相手は入国審査官に転官してはいるが、もとは同じ入国警備官であったから、野木の忙しさは理解してくれているが、野木自身が個人..
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十 荒れる対策会議(6)「課長、元々この会議は、何を目的に始めたのですか。摘発を予定していた人数より、大幅に下回る結果となった原因の追究とその対応策を考える為ではなかったのですか。それがいつの間にか、失敗の責任者探しになって..
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十 荒れる対策会議(5)「俺は北京語が解るから言うのだが、俺と小山が行った店の女たちは、俺たちのことを疑っている様子はなかった。何しろ彼女たちの会話は全てこちらに筒抜けとなっているのだから、間違いないよ。俺たちは、そんな尻尾..
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十 荒れる対策会議(4)「補佐のところはそうであったとしても、他の内偵先はどうだったか分かりませんよ」 普段は大人しく何も話さない島田班長が、何を思ったのか大戸に阿るように発言した。 「でもなあ、補佐の内偵した店舗こそ..
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十 荒れる対策会議(3)「内偵調査が相手方にばれていたということはないのか」 「それはないと思いますよ、それに仮に察知されていたとしても、摘発日までは特定できないはずですから、今回のように日本人妻ばかりを取り揃えるなんてこ..
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十 荒れる対策会議(2)「内偵調査の段階では、一店舗について十名前後の不法就労者がいることを確認しています。それらに基づいて摘発計画を立てて実施したものです。 内偵は警察官によるものが四箇所、警備官によるものが六箇所実施..
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十 荒れる対策会議(1)身柄の収容が全て終わった運動場には、口を真一文字に結び、不機嫌さを隠そうともしない稲山警備第二課長を中心に、主だった警備官がそれぞれに深刻な表情を装って座っていた。 全体的に摘発した数が少ない上..
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九 闇から抜け出ようとする者(9)「そんな話じゃないさ。俺がおかしいと思うのは、こんなことをやっているのが俺たちだけなのかってことさ」 「どういう意味だ」 「考えても見ろよ。俺はここに住んでもうすぐ二年になるが、その間に先に住んで..