記事「日経新聞」 の 検索結果 2565 件
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『波止場浪漫』(111&112)早春賦(一)&(二) 正月の三が日、末廣では、二階の南向きの壁にしつらえた神棚をはじめ奥座敷の床の間やカマドにも鏡餅を供える。 床の間で礼拝をすませたあと、けんは膝をそろえたまま、不安と期..
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『波止場浪漫』(110)十七の春(三十三) 「初兄ちゃん、今もおようさんと逢ってるの?」 「逢っちゃあいねえや。おれみてェな甲斐性なしに、あいつがいつまでもくっついてるもんか。今はもう新たな獲物を見つけてるって」 ..
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『波止場浪漫』(109)十七の春(三十二) おようは末廣に寝泊まりしていた。となればもちろん家事も手伝う。 いっしょに暮らしてみると、おようはけんがおもっていたよりずっとはたらき者だった。うわついたところはなく、..
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『波止場浪漫』(108)十七の春(三十一) 「いやァ、あんときゃおったまげたぜ」 「初兄ちゃんてば、他人事みたい」 そこにはけんの膝の高さほどのカラムシが生い茂っていた。 この試作が上手くいったら、次郎長は来..
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『波止場浪漫』(107)十七の春(三十) 末廣の茶の間に場所をうつすや、おようは切々と苦境をうったえた。亭主の仕打ちにたえかねて逃げだした人妻、しかもおようのような女なら、男は十人が九人、助け舟をだしてやりたいとおも..
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『波止場浪漫』(105&106)十七の春(二十八)&(二十九) 「おりてくるよう、おように伝えてくれ」 「だけど、乙吉さんがお父ちゃんを呼びにいきましたよ」 「どのみち匿ってはおけんがじゃ」 ここへ匿うのはよいが、およ..
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『波止場浪漫』(103&104)十七の春(二十六)&(二十七) 「先生・・・・・・先生ッ」 植木はうつぶせになっていた。 もしや死んでいるのでは――。 「先生ッ、目を開けてッ、死なないでッ」 すると植木が動いた。..
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『波止場浪漫』(101&102)十七の春(二十四)&(二十五) 初志郎は、なにごともなかったような顔で朝飯の席にあらわれた。 そのため、だれひとり、初志郎にどこへいっていたのかときかなかった。 食事のあと、初志郎はお..
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『波止場浪漫』(99&100)十七の春(二十二)&(二十三) 「富士山の開墾だって、ウチの父ちゃんや五郎兄さんがみんなをたばねてたでしょう。だれかたばねる人をつくらなきゃ」 「おみぁあにつくもんがついてたらなァ」 「いい..
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日経新聞の「J−PARC」の放射能漏れ事故の記事(その16)(その15からの続き) 今回ご紹介するのは、2013年7月6日の日経新聞朝刊です。 ↓2013年7月6日の日経新聞朝刊38面 東海村の放射性物質漏れ 密閉容器使わず実..
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『波止場浪漫』(98)十七の春(二十一) 「なんですか、カラムシって」 「すいっとこう茎が長くて、青々とした葉っぱがしげる・・・・・・」 「なァンだ、虫かとおもった」 「虫がよくつくっちゅうから、そいつがやっか..
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『波止場浪漫』(96&97)十七の春(十九)&(二十) おちょうはカマチに膝をそろえて座っていた。 弁明をはじめようとすると、おちょうはくちびるに人差し指を立てた。襖に目をむけたのは、次郎長を起こすな、というのか。 ..