記事「日経新聞」 の 検索結果 2565 件
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『波止場浪漫』(83)十七の春(六) 三業の川岸、遊女屋や芸者屋のとぎれた先に、髪結い床があった。裏の空き地には、みすぼらしい長屋が立っていた。 「へ、髪結い床がねぐらたァおもうまい」 「兄ちゃん、ここに住んで..
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『波止場浪漫』(81&82)十七の春(四)&(五) 旭座はすぐそこだ。入れなければ外から様子を見るだけでもいいと、けんはおもった。 道まであふれた観客は、着物に下駄か草履、中折れ帽や鳥打ち帽をかぶった男なかりだ。いく..
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『波止場浪漫』(80)十七の春(三) 波止場のお転婆娘はくったくがない。人見知りもしない。おなじ浜育ちで、気性ははげしいものの根は人のよい親族は、「おけんちゃん、おけんちゃん」と、けんをかわいがってくれた。山本家の..
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『波止場浪漫』(78&79)一七の春(一)&(二) 江尻は江戸時代、東海道の宿場だった。 けんの一家が向島の波止場へ引っ越したころ、けんは港橋をわたり、巴川西岸の清水八ヶ町とその先の入江町をとおって、江尻へ出かけてい..
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『波止場浪漫』(77)一葉びいき(二十) 「漱石くんの本は手当たり次第に読みました。正岡くんもそうですが、大学の後輩ですから」 植木の時代は東京大学、漱石や正岡子規のときは帝国大学、今は東京帝国大学と名称は変わっ..
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『波止場浪漫』(76)一葉びいき(十九) 「お父ちゃんが死んで、戦争がはじまって・・・・・・戦争が終わっても船宿はもうお父ちゃんがいたころのようににぎわうこともなくなって・・・・・・。それで、退屈しのぎに手にとったん..
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日経新聞の「J−PARC」の放射能漏れ事故の記事(その12)(その11からの続き) 今回ご紹介するのは、2013年6月19日の日経新聞朝刊です。 ↓2013年6月19日の日経新聞朝刊34面 東海村の放射性物質漏れ 事故から3日..
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『波止場浪漫』(73)一葉びいき(十六) あッとおもったときには、ぶざまに尻餅をついていた。 「おけんさん、大丈夫ですか」 動転して植木を押しのけ、あわてて裾をなおした。 けんはふっとおもいだしていた。あ..
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『波止場浪漫』(71&72)一葉びいき(十四)&(十五) 本町には山田医院があった。 植木はきょう、かつて世話になった家々に挨拶に出かけている。 のぞいてみたい気もしたがけんは足早に医院の前を通りすぎた。 小..
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『波止場浪漫』(70)一葉びいき(十三) 「先生はなにかご用があっていらしたのですか」 「まだ、くわしいことは・・・・・・」 「さようですか・・・・・・。しばらく滞在なさるようでしたら、ぜひ、こちらへもお立ちより..
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『波止場浪漫』(69)一葉びいき(十二) 本町は、巴川の西岸にならぶ清水八ヵ町のひとつで、いにしえより港町として栄えてきた。江戸時代からつづく廻船問屋の播磨屋は、今は鈴与という屋号で向島にも店舗をかまえるようになっ..
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『波止場浪漫』(68)一葉びいき(十一) 「ウチの人の話じゃ、また清水で開業なさるおつもりだとか。奥さんも、磐田だっけか、静岡のお人だし、娘さんもこっちのガ学校の先生になんなさるんなら、先生が清水でお医者さまをなさろ..