記事「日経新聞」 の 検索結果 2564 件
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『琥珀の夢』(227~230)信治郎は男を“芳や”の二階に案内した。 男が、これから話すことは人に聞かれてはまずいと言うから、ここに案内した。 「鳥井さんはいつもここが贔屓かの?」 「へぇ~い、むさ苦しいとこでかんに..
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『琥珀の夢』(223~226)翌年の春、もう一人奉公人を入れた。その年の夏にかけて、鳥井商店は外国人居留地だった川口だけでなく、居留地以外の中国人貿易商との商いが予想外に伸びて、開業以来の利益を出した。順調な商いに釣鐘町の、..
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『琥珀の夢』(219~222)「二人雇うわけにはいきまへんか?」 「そ、そら無理だすわ。今も、わて一人でカツカツの商いだすよって。とてもいっぺんに二人は……」 「これはわての考え違う。旦那さんの考えやで」 「えっ、旦那さ..
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来週火曜日 日経新聞の取材を受けます10月に掲載されるつもりで、動いていましたが、掲載紙面で何等かの特集に絡める方が・・・との事でした。昨年末にプロモーション会社の社長が売り込んで下さって、それがようやく取材まで来た感じです。 全..
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『琥珀の夢』(215~218)かつて江戸の八百八町に対して、浪花は八百八橋と呼ばれた。橋から橋を渡って商いの品物が南北の筋と東西の通りを縦横無尽に往来する姿は、まさに“商いの都”であった。 それを支えたのは商人の工夫だっ..
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『琥珀の夢』(211~214)鳥井商店が開業して、一ヶ月が過ぎた三月の上旬、信治郎は包みを手に、船場、道修町の小西儀助商店を訪ねた。 「いや、ようおいでやして信はん、このたびはお店を出さはっておめでとうさんでございました」..
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『琥珀の夢』(207~210)「お母はんが頼まはったんでっか」 「そうや、信はん。お母はんが四天王寺の坊さんに、正月明けから頼んではったんや。ほれ、お父はんの葬儀にお経を読んでくれはった坊さんや」 「四天王寺はんは鳥井の家..
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『琥珀の夢』(195~198)「あれ、まあ、どこのどなたはんかと思いましたわ。よう無事にお帰りやして……。けど信治郎はん、その洋服よう似合うてまっせ」 洋服姿で“芳や”の裏木戸から入って来た信治郎を見て、しのが嬉しそうな..
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『琥珀の夢』(191~194)小樽にむかって航行する船の中のディナーで、船長が挨拶にあらわれた。 「神戸からの船長が体調を崩しまして、あらたに引き継いだ人です」 正吉の説明を受け、信治郎は赤色に近い頭髪の外国人船長と握..
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『琥珀の夢』(187~190)信治郎を見て、立派な髭を生やし青い目をした長身の主人が笑って迎えた。 信治郎はポケットから小紙を出し、そこに記した正吉に教わった文字を読んだ。 「ワ、ワイ、ワインを見せてくれまっか?」 ..
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日経新聞をタダでみる方法★日経新聞について日本経済新聞。ビジネスマン必読の新聞だ。現在二通りの媒体があり、それぞれの月額は以下の通りになる。 紙媒体月額4,509円電子版月額4,200円どちらも年間で考えたら50,00..
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『琥珀の夢』(183~186)公使が話した“三方良し”は近江商人の思想、行動哲学の基本にあるものだった。“売り手よし、買い手よし、世間よし”は一七五四年、中村治兵衛が残した家訓が源流とされる。 後日、正吉から公使が明治維..