記事「短歌」 の 検索結果 17224 件
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川野里子.選新しく印して厚き名簿かなはるけき戦といへぬ広島
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春日井建 選疑はず歩めばそのまま天にゆく朧の月の長き坂道
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蒔田さくら子 選たぽたぽぽさながら小鼓(こつづみ)きくごとく船縁(ふなべり)たたくさざ波の朝 貝洗ふ真珠筏に遠く近く花の丘発つ晩鐘とどく
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藤井常世 選無遠慮に茶の間に銃声おくりくるテレビの上の寒蘭香る まっすぐに降りて獲物を掴(つか)む瞬間(とき)鷹(たか)の尾羽根の縞(しま)あらわなり
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福島泰樹 選 NHK全国放送億万の女人(にょにん)の涙を雲として劫火の空に雨とふらせよ 断念を決めて開ける窓遠く白毫(びゃくごう)のごと星は糸ひく
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伊藤一彦 選我等にも笑へぬ日は来む同窓の友の幾人(いくたり)もはや笑はず 軒ふるるばかりの路地の漁師町一尺の空を不意に猫跳ぶ
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小島ゆかり 選 一席明日ねと別るる子等の振り交すかの手は吾にもあると思ふが トトトンと駆けてのぼらむ歩道橋 白きスニーカーをおろした今朝は 原発のすべて止まりしこの国の外灯の下新聞配る
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松平盟子 選 NHK全国放送ただいまと声をかけると笑うとう「モモ」と「クリ」なる彼の出目金 寝そべりし様(さま)に干(ほ)さるるセーターは大きな竹の籠(かご)にかぶさる 自転車でくだる坂道ジャンパーは孕(はら)みても..
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栗木京子 選炒飯の鍋へカツンと割り入れる安売り卵は黄身がふたつも(NHK全国放送) 反り返りそりかへりして星を拾いしあの貴の花星となったり(一席) 点滅灯の行き交ひ絶へぬ空の下ハワイも知らずに新聞くば..
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穂村弘 選 5首たった今トレーに捨てたお茶殻(ちゃがら)はもはや触れるもおぞましき体(一席) 前頭葉を熱くしながらシロは待つ朝刊くばる吾に恋して(二席) 淋しいかいなどと問(き)くなよかりかりに乾いて割れ..
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岡井隆 選 三席買物に肝斑(しみ)うく腕をさらしつつゆかねばならぬ肉を食うため 十分間 それは充分死ぬやうな思ひのことも過去となしゆく 自販機は明かし毒もち媚びて立つ虫は群れ来てつばめ夜に飛ぶ 焦(..
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NHK全国短歌大会強盗の度々押し入る店の名とテレビにて知るコンビニの建つ (平成十八年 NHK全国短歌大会 入選)