記事「チベット,ダライラマ,転生活仏」 の 検索結果 8 件
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ぼくがダライラマ?(12)ぼくは怒りがこみ上げてきた。自分が遊んでいて、お母さんばかりこき使われているのが、腹立たしくてならなかったのだ。 「なんでぼくはここにいるの? ラサの都に行くんじゃなかったの?」 お母さんは眠..
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ぼくがダライラマ?(11)夜になると、ようやくお母さんと二人きりになれた。ぼくは話したいことがいっぱいあるのに、お母さんは疲れてすぐに床に入りたいらしかった。お寺の中で明るいのは、灯明がともった本堂だけで、部屋の中は月明かり..
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ぼくがダライラマ?(10)お母さんは夜明け前に起きて、お坊さんたちのためにお湯を沸かした。バター茶を作ってツァンパと一緒に食べてもらうためだ。それが終わると、若い見習いの坊さんと一緒に、赤くて重い袈裟の洗濯、昼間は広い境内の..
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ぼくがダライラマ?(9)二 ラサまでの道のりは、延々と続くはずだった。日が西に傾きかけた頃、お母さんとぼくを乗せたヤクは、外壁の崩れた山門をくぐっていった。今夜はここで泊まるのかと思った。寺の本堂..
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ぼくがダライラマ?(7)弾き終えたところで、ぼくの頭をなでて体を抱きしめてくれた。何で家族が別れ別れにならなければならないのか、そのときのぼくには分からなかった。けれども、それが避けられないことで、運命を受け容れるという点..
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ぼくがダライラマ?(6)ぼくはまだ何も知らなかった。こうした生活がいつまでも続かないということを。口の周りをべとべとにしながら、トゥクパを食べていた。 そのうち、何かがおかしいことに気がついた。チャンを飲んでいるのに、..
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ぼくがダライラマ?(5)それからまたいつもの生活が始まった。ヤクの背中に乗ったぼくは、お父さんと一緒に、羊を放牧に出かけた。もうすぐ雨期が始まるから、動物たちもおなかいっぱい草が食べられるようになる。今年生まれた羊も、もう..
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ぼくがダライラマ?(4)ヤクに乗ったぼくを置いたまま、お父さんはお母さんと一緒に、小走りで家の方に戻っていった。ぼくは心配になったが、雲もなく澄み渡った青空は、くよくよすることなど何もないと告げているようだった。 しば..
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