記事「小日向定次郎」 の 検索結果 38 件
-
不信者 INDEX『不信者』 バイロン卿 (1788-1824)著 小日向定次郎 (1873-1956)訳 ⇒詳細・ダウンロード 全34エントリー(2007/11/01~2007/12/04) 献辞公..
-
ゴシック名訳集成吸血妖鬼譚今年10月に発売された『ゴシック名訳集成吸血妖鬼譚』をご紹介します。これは学研M文庫の分厚い古典アンソロジーシリーズの『ゴシック名訳集成』の吸血鬼を主題に扱った本です。収録作品は以下の通り。 日..
-
不信者書名:不信者 原題:The Giaour 著者:ジョージ・ゴードン・バイロン卿 (1788-1824) 訳者:小日向定次郎 (1873-1956) 底本:三笠書房『世界文學選書 12 バイロン..
-
『不信者』01献辞/34土耳古の物語りの一斷片 一つの宿命的な思ひ出──我等の歡喜にも我等の苦惱にも等しく寥しい陰影を投げる一つの悲哀── それへは人の生《よ》はより暗らい或はより明るい何物も齎らし得ないし そ..
-
『不信者』02公告/34公告 これらの筋道の通らない斷片が示す物語は今は昔程に東洋では普通ではなくなつた事情にもとづいたものである。と言ふのは婦人達が「往昔」より用心深くなつてゐる爲めか、或は基督教者が昔より幸運..
-
『不信者』03/34不信者 彼のアテネ人テミトクレスの墓の下に打ち寄せる、 その浪を割る風は、そよりとも吹かない。 その墓は斷崖の上に白く光つて 救ひ効のなかつた國土の上に高く立つて 家..
-
『不信者』04/34海賊の小艇は隱れるに都合のよい、下方の小灣に潜んで、 通つて行く平和な船舶を窺つてゐると、 やがて呑氣な水夫のギタの音が聞えて 夕星《ゆふつつ》の影がえ出す。 すると海賊は漕ぐ艇の櫂..
-
『不信者』05/34死の音訪れの最初の日の過ぎないうちに、 危險と苦悶の最後であつて 悲しい空無の最初の日が過ぎないうちに、 (衰退の抹殺の指が美貌の名殘りを 猶とどめてゐる筋々を消しきらないうちに) ..
-
『不信者』06/34忘れられてはゐないあの勇士の住んだ國土よ! 平野から山の洞穴へかけて、その國土一帶は 自由の民の故郷であり、榮譽ある人の墓所であり、 偉大なる者の神社であつたのだ。 希臘の遺物がた..
-
『不信者』07/34お前の國の海岸を踏む人は何を語り得ようか。 お前のいにしへの古い譚もなければ、 お前の國のをとこたちがお前の國を辱めなかつた時の 遠い昔のお前の詩の神のやうに高く、 詩の神が翼を..
-
『不信者』08/34遠々と、暗らく、青海原を掠めて 延びてゆく岩々の影々が まいのおとと呼ばれる海賊の 小艇のやうに漁夫の眼に顯つ。 その海賊の輕舟を怖れて 漁夫は道は近いのだが、怪訝《いぶ》しい..
-
『不信者』09/34眞《ひた》急ぎに彼が逃げて行つたとき 私は怪しむで彼を見詰たのだ。 夜行の惡鬼のやうに通り過ぎ見えなくなつたが 彼の容貌とその風彩が私の胸の上に 何やら不氣味な記憶を刻みつけたし、..
- 前へ
- 次へ