記事「散文」 の 検索結果 241 件
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たちくらみ(散文)ちょっとだけ肩を貸して。 それだけでいい。 ただ目が眩んだだけ。 立てなくなったわけじゃない。 だから、肩を貸して。 何も問わずに──。 平気な訳じゃないけれど、平..
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いのり(散文)淋しさも、切なさも、愛しさも、 全て織り上げて羽織りたい。 喜びも、哀しみも、痛みも、 全て涙に溶かして歌い上げたい。 それができるならば。 生きていると 思えるかもしれない。..
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小さな幸せ(散文)美しいものに心洗われたい。 温かいものに心癒されたい。 だから。 優しい気持を集めよう。 柔らかな言葉を紡ごう。 そして。 荒んだ心を抱きしめて。 少しだけ幸せになるため..
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光の粒(散文)光の粒が乱舞する。 思わず目を閉じて聴き入った。 大きな手が奏でる美しい音。 澄んだ音が胸の奥まで沁み渡る。 時が、あっという間に過ぎ去った。 音が光る、至福の時が。 ..
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風の想い出(散文)冷たい風がふと暖かくなる。 頬を撫でる微風に唇が緩んだ。 生きていてくれるだけでよかったのに。 ささやかな願いも叶えてくれないね。 泣きたくなる時もあるけれど。 「ばぁか」 とか言..
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風の噂(散文)風の噂を聞いた。 まだ受け止められない。 噂を聴くだけで楽しかった。 会えた日は嬉しかった。 思い出すのは、あの日の笑顔。 またね、と手を振ったのに。 風が吹くと思い出す。 ..
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海(散文)冷たい波に身を浸した。 久しぶりの海。 澄んだ水が誘う。 けれど──。 潜ってもすぐに浮き上がる。 拒絶されたようで、少し悲しかった。 大きく息を吐く。 ゆっくりと沈んでいく..
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好きなもの(散文)音がふと消える瞬間が好き。 再び聞こえ出す瞬間が好き。 集中している時が好き。 眠りに入る時が好き。 気づいた時に耳に戻る音が好き。 目覚めを誘う音楽が好き。 好きなものを数え..
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曇り硝子の向こう側(散文)何もかもが曇り硝子の向こう側。 独りきりでここにいる。 呆然と座り込んだまま──。 けれど。 勝手に独りになっていた。 立ち上がって、硝子戸を開ける。 笑顔がそこにあった。 ..
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いのち(散文)祖父の声が聞こえる。 祖母の顔が浮かぶ。 母の背が見える。 そして、胸に響く父の言葉──。 哀しげな、切なげな。 けれど、それ以上の物。 深い想いを秘めたまま、 人は歩んでい..
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雲の切れ間(散文)言葉が胸に詰まる。 苦しくて、切なくて。 溢れるものは、涙だけ。 けれど。 果てしない夜も、いつかは明ける。 厚い雲も、いつかは切れる。 雲の切れ間から、淡い冬の陽が見えた。 ..
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秋のお終いの日に見た夢(散文)ここにいるよ。 空に手を伸ばす。 いつも、ここにいる。 小さな声で呟く。 みつけて──。 伝えたい言葉も、受け取る気がない人には届かない。だから、待つとはなし..