記事「現代思想」 の 検索結果 73 件
-
南方熊楠顕彰館を訪問+洛北に蓮月尼足跡探訪、そして鷹ヶ峰猫と居る 庭あたたかし 賀客来る (松本 たかし) ぽかぽかと良い陽ざしのお正月風景ですね。庭に面した座敷に寛いで猫を膝に届いた年賀状など眺めていると、年賀のお客さんがやってきたというわ..
-
明星研究会では「文学者の大逆事件」講演&シンポ+加納光於展オープニング古暦(ふるごよみ) 水はくらきを 流れけり (久保田 万太郎) 年の瀬、今年のカレンダーも「古く」なりました。古暦のかかった部屋から見える流れは恐らくは隅田川でしょう。冬の夕暮れ、日の翳..
-
ジル・ドゥルーズ『シネマ』1・2、勉強してますが…+三島由紀夫『三熊野詣』、まさに折口がモデルさみし身に ピアノ鳴り出よ 秋の暮 (杉田 久女) 秋は愁い顔の似合う季節。夕暮れ時ひとりポツネンと居間に身を置いているとなんだかさみしくなって、どこかからピアノの音色でも聴こえてこ..
-
世田谷文学館では加藤周一ウィーク+NHK大河ドラマ「龍馬伝」は最終節に黒きまで 紫深き 葡萄かな (正岡 子規) 子規の時代の葡萄ですから、巨峰やピオーネじゃなくて粒の小さなほうだったでしょうか。しかし葡萄の実の紫色の深さを「黒きまで」と観察したのは..
-
三菱一号館で「マネとモダンパリ」展+シンポ「坂部恵の銀河系」聴講しました緑陰や うすばかげろふ 漣(なみ)を追ふ (飯田 蛇笏) 猛暑にこの句を読むとどこか涼気を感じます。こんもり茂った樹木の緑が陰をつくる池の水面、そこにやわらかい微風が吹いて漣(さざ..
-
勅使川原三郎ダンス「オブセッション」は新境地!+市村弘正編の『藤田省三コレクション』刊行薄暮、微雨(びう)、而(しこう)して薔薇しろきかな (久保田 万太郎) 初夏のこの季節独特の湿った大気の触感と、夕ぐれの淡い光のなかの白い薔薇の影像が美しい一句です。また薄暮の「ぼ」、..
-
モレキュラー、今回はメイエルホリドに挑戦+素浄瑠璃、人間国宝駒之助さん体験奥津城(おくつき)に だれかれのこと 日永(ひなが)かな (飴山 実) 詞書に、「三間町太宰家は化政の遺構なり 祖父(ぢぢ)が山に不器男の墓を見舞ふ」とあります。愛媛県三間町の太宰氏..
-
ワタリウムではジョン・ルーリー絵画展+MOTでの岡崎乾二郎・林道郎・光田由里講演とシンポジウム春の星 奏でる如く 電線に (星野 立子) 空気も温(ぬる)んだ春の夜に空を見ると、電線のうえに星が出ています。まるで五線譜の音符のよう、というので「奏でる如く」と来るのでしょう..
-
小村雪岱展、収穫でした+仙川ではボサノバと新内のコラボ!+E・ゴイレン著『アガンベン入門』われとわがつぶやきさむき 二月かな (久保田 万太郎) 寒いのは「われ」の体と「わがつぶやき」ですね。つぶやきが寒い、というのは自嘲の意味でしょう。万太郎、劇作家・演出家で戦前のNHKの..
-
仙川のTAMでは岡崎乾二郎展+毎日の夕刊に坂部さん追悼文+高松次郎『世界拡大計画』菖蒲(しょうぶ)剪(き)つて 盗みめくなり 夕日射す (石田 波郷) 自生していた菖蒲の花を何本か切りとったのでしょう。そこに鬱陶しい雨空が晴れて夕日が差し込んだ、というのですね。..
-
静岡県美の柳澤紀子展での吉増さんトーク+折口信夫の西浦「田楽の庭」+坂部恵氏と聖イグナチオ教会で金雀枝(えにしだ)や 基督(キリスト)に抱かると思へ (石田 波郷) エニシダは初夏のころ、緑枝緑葉のなかに黄色の小さな蝶の形の花を咲かせます。その開花のさまを「基督に抱か」ると詠..
-
哲学者・坂部恵氏ご逝去を悼みます。あらましを 閉ざせしのみの 夕牡丹 (中村 草田男) 夕暮れの牡丹を詠んだこの句、印象に深く残る佳い作だと思うのですが、解釈が厄介です。「あらまし」を「概略」の意味で捉えるのか、..