記事「自作小説」 の 検索結果 350 件
-
自作小説「守護神」 あとがき2 わずか二日足らずの出来事になっているのは、ドストエフスキーの影響こういう経緯がありますから、特にこの作品には愛着があります。ずっと手元に置いたままだったのを、昨年、同人誌「茅渟の海」が刊行されたのを機に、連載を開始し、それが完了しました。松本芳郎さんの勧めもあっ..
-
自作小説「守護神」 あとがき1 白内障を患っていた1979年に書き上げる40数年前に書いた小説「守護神」を拙ブログで123回にわたって、ようやく連載し終わりました。発表する機会もなく、ずっと手元に置いたままでしたが、大阪府立堺工業高校の同僚が中心となって発行した同人誌「..
-
自作小説「守護神」123 第32章(その4) 最終 ※注 小説の時代設定は1970年代「もうすぐ警察が隣りの部屋の家宅捜索に来るんじゃないかな」 「恐れることはないわ。警察に何が分かるもんですか。あなた、隣りの部屋に今日入ったの?」 「うん。あれを盗まれたもんだから、隣りの部屋に入..
-
自作小説「守護神」122 第32章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「えっ」 木村は一瞬ぎくっとした。 「そうじゃない。あなたの秘密を知っている唯一の人間になるんだから」 怜子は人差し指で自分を指差した。 「まあね」 曖昧な返事しかできなかったが、それ..
-
自作小説「守護神」121 第32章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代怜子が不意に尋ねた。 「本当にあのピストルはあなたが盗んだの」 「さっき言ったことに間違いはないよ。そんなこと、まさか冗談で言えないしな」 木村は怜子がなぜそんなことを訊くのか解せぬ様子で答え..
-
自作小説「守護神」120 第32章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代怜子は元の位置に座って、湯飲みを前に置いたまま、思いつめている様子だったが、木村が部屋に戻って来ると、顔を上げた。 「長かったわね。湯が冷めていたからもう一度電気ポットで沸かして、お茶を入れたんだ..
-
自作小説「守護神」119 第31章(その5) ※注 小説の時代設定は1970年代「君、警察には島津君の身元を言ったのかい」 「いや、まだです。あなたに知らせるのが先だと思ったんで。みんなの話を聞くとすぐに、アパートの近くの公衆電話に飛び込んだんです」 「もうこうなったら、知ら..
-
自作小説「守護神」118 第31章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代「これ以上、事件が広がらないといいけどね」 怜子は心配そうに言った。 「そうだな」 その時だった。 「木村さん、電話よ」 下宿のおばさんの声がした。階段の途中ぐらいから呼んでいるらしか..
-
自作小説「守護神」117 第31章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「要らない?どうして要らないんだい?」 木村は怜子の口からそんな言葉が発せられたのが信じられないといった様子で問い返した。 「私には、私にはあなただけが必要だったのに」 怜子は涙に濡れた眼で..
-
自作小説「守護神」116 第31章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「分からないわ。あなたは昨日から思わせぶりなことばかり言って、なかなか本当のことを答えてくれないじゃないの」 怜子は苛々して言った。 「ピストルさ」 木村がさりげなく言ってのけたので、彼女は..
-
自作小説「守護神」115 第31章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代足音が彼の部屋の前で止まり、戸がノックされた。 「はい」 木村は重々しく返事した。案の定、怜子だったが、その姿が彼には眩しく感じられてならなかった。 「わざわざ用意をしておいてくれたのね..
-
自作小説「守護神」114 第30章(その6) ※注 小説の時代設定は1970年代ユキは俯せになって、島津の愛撫を受けた。彼女の呼吸が乱れてきた。 「まだこれからだぜ。歓喜の絶頂に上らせてやるからな」 彼は今ほど自分が男として生まれたことを幸福に感じたことはなかった。彼女..
- 前へ
- 次へ