記事「観察」 の 検索結果 1265 件
-
野良まりしゃの大晦日「しゃ、しゃぶいのじぇ…」 大晦日の夜、ほとんど人通りのない路地を野良の子まりさが、今にも雪が降り出しそうな寒さと地面の冷たさにぶるぶると震えながら這い進んでいる。 栄養のあるものを満腹になる..
-
クモと家ゆと傍観者先日、数か月ぶりに帰省し、実家に泊まったときの話だ。 家族全員が寝静まった深夜、俺は尿意を感じて、ぼんやりと目を覚ました。 だが、布団の中は暖かく、なかなか抜け出せないというか、出たくない。 ..
-
あにゃるブレイク「いちゃい…いちゃいのじぇ…たしゅけちぇ…ゆうぅ…」 ある施設の裏手を通りかかったとき、冷たい風の吹く音に混じって、助けを求める小さな声が私の耳まで届いた。 その声は紛れもなくゆっくりの声で、..
-
柿と餓鬼我が家の裏庭には、大きな柿の木がある。 それは、今は亡き祖父が若いころに植えたもので、樹齢は四十年を超えているというのだから驚きだ。 敬意を込めて老木と呼ぶにふさわしい木であるが、これまた驚くべき..
-
独り占めの罪と罰朝から雲ひとつない晴天に恵まれた日のことだった。 朝ごはんを一家揃って食べた後、親まりさは昼ごはんを調達するべく巣から出ていった。 残された親れいむは、子供たち――赤れいむ三匹と赤まりさ一匹――を..
-
ハチと野良ゆと傍観者散歩の途中で喉が渇き、お茶でも買おうと私は自販機の方へ足を向けたが、そこには先客がいた。 客といっても人間ではなく、野良と思しき、子ゆサイズのれいむが自販機の近くをズリズリと這い回って、なにかをやっ..
-
野良まりしゃの新しいおうち野良の子まりさの朝は早い。 「ゆ…ゆうぅん…もうあしゃなのじぇ…? おてんとしゃんはいつもはやおきしゃんでこまるのじぇ…」 日の出から少し遅れて目覚めると、子まりさは寝ぼけ眼をおさげで擦り..
-
やまない雨≪一日目≫ 「ゆぅ…きょうもあめしゃんなのじぇ…」 自販機下の隙間から、雨で濡れたアスファルトを見やって、子まりさはため息まじりに呟いた。 昨日の夕方から降り始めた雨は、今朝になってもや..
-
クイックルちぇん(使い捨てタイプ)「おうちがどんどんきれいになってるんだねー。わかるよー」 ずりずりと床を這い進みながら、クイックルちぇんが嬉しそうに言う。 全身毛で覆われ、もふもふとした外観のクイックルちぇんは、ゆっくりの一..
-
近所の水上まりさ家ですべきこともなく、かといって遠出する気にもなれず、暇を持て余すとき、俺は近所の川へ行く。 持っていくものは、食パン一枚のみ。 この辺りは地域の住民以外ほとんど通らないので人目を気にすることもな..
-
野良まりちゃの新しいおうち「ゆわあぁ…とっちぇもゆっくちしちゃおうちしゃんなのじぇ! ほんちょにまりちゃがしゅんでいいのじぇ!?」 経年劣化で傷み、所々に傷やヒビがある小型の水槽の中で、赤まりさが目を輝かせて言う。 ゴ..
-
決断のとき水上まりさ種――ゆっくりの弱点である水の上で生活する、多種多様なゆっくりの中でも特に変わった種。 人間で例えるなら、硫酸や溶岩の海に浮かぶ一生を過ごすようなもので、まさしく狂気の沙汰。 水上まりさ..