記事「随筆」 の 検索結果 871 件
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随筆<草履隠しつーねんぼ>同居している姉の認知症が、この頃顕著に現れるようになった。90年前の、幼い日の記憶は昨日のことのように覚えているのに、1分前のことは、もう忘れている。薬を飲んですぐに、飲..
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随筆<腹の虫>今年91歳になる姉、その姉の物忘れが、この頃ひどくなってきた。3歳の頃の記憶は、昨日のことのように鮮明に覚えているのに、つい数分前のことになると、もう覚えていない。 たった今、飲んだばかりの..
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随筆<虹と玉虫>5年間、ブログを通してお付き合い頂いた恩師が、一月前に、突然亡くなられた。 40年近く大学で教鞭を執ってこられた先生は、定年後、ここ日向の地に住まいを定め、山奥の一軒家で、好きな研究活..
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随筆<浜ちゃんの去勢手術>2月2日、ついに浜ちゃんの去勢手術に踏み切った。散々悩んだ末の決心だった。 人間の都合で、浜ちゃんの体を勝手に傷つけ、雄としての命を全うすることなく、子供のまま成長を止めてしまうことへの後ろ..
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随筆<子守唄>介護施設に姉を見舞った日、廊下の隅で姉と話をしていると、どこからか懐かしい子守唄が聞こえてきた。 「ねんねんころりよ、おころりよ・・・・。」 歌っていたのは車椅..
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随筆<新しい家族>4月23日、我が家に新しい家族がやって来た。家族と言っても、人ではなく、散歩で拾ってきた捨て猫である。 その日の夕方、遅い散歩に出かけたMちゃんと私は、近所のおばさん親子と合流し、海を見に出かけた。..
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随筆<目覚まし時計>私は、時計より他に、もう一つ贅沢な目覚まし時計を持っている。 デイサービスに出かける前、時間があると、隣のMちゃんが私を起こしに来てくれる。 「Yちゃーん、まだ寝ちょっとねー。」 ..
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随筆<呆けたふり>今年90歳になる姉は、まだ介護認定を受けていない。自分の身の始末は、何とかできているけれど、物忘れは年々ひどくなるし、歩くのも覚束なくなってきたので、そろそろ認定申請を出..
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随筆<うりどき>鳥の口から難を逃れ、わずかに残った南天の実が数個、冷たい冬の雨に濡れている。殆ど額ばかりになった枝の先には、その実と同じくらいの雨の雫が宿り、お日様が時折顔を出せば、一斉..
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随筆<錯覚>畑の隅に作ってもらった鳥の餌付け台に、時々見かけない鳥がやって来ていた。姿形はヒヨドリに似ているけれど、もっと優しい顔をしている。鳥図鑑で調べると、どうやらシロハラという鳥らしい。 ..
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随筆<兄の旅立ち>92歳になる義兄が、大晦日の前日、急逝した。心不全だった。入院していた甥が、暇をもらって帰宅した日、自宅で倒れていた兄を発見した。 一人暮らしをしていた兄は、誰からも看取られず、一人で旅立っ..
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随筆<サンタの贈り物>築40年になる我が家の玄関は、昔ながらのサッシの引き戸になっていて、油を注しても、かなり重たい。鍵が掛かっているのかと思って、そのまま帰ってしまう人さえいる。 今までは、姉が朝早く鍵を開..