記事「SS」 の 検索結果 630 件
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Fate/gold knight 20──目が覚めた時、正直気分は最悪だった。 頭が泥を流し込まれたように重くて、もう眠くて仕方がない。 もう一度寝直そうかと思ったけれど、どうやらそんな余裕を持てる状態じゃないようだ。 空気..
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Fate/gold knight 19皆揃って帰宅した頃には、冬の早い日没のせいか周囲はすっかり薄暗くなっていた。手分けして、大急ぎで夕食の準備に掛かる。今夜から桜がいないということだったから、食器の数なんかは気をつけなくちゃいけないな..
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Fate/gold knight 18ごくり、と息を飲む。その音すら、俺の耳には届かない。 周囲は雑踏に充ち満ちている。夕方の、ごく普通の商店街の、その一角。 ごく当たり前の、平凡な日常の一コマ。そのはずだ。 「ふふ、どうした..
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Fate/gold knight 17午前中の授業は何事もなく、大変平和のうちに終了した。 この場合の『何事も』とは、慎二も含めた敵対勢力からの目に見える襲撃を受けなかった、という意味だ。というより慎二はHRの始まる一、二分前になっ..
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Fate/gold knight 16夢を見ている。 いつも遊んでいる公園に突然出現した、傲慢でやんちゃな女の子。彼女と対立して、ある意味全面戦争みたいな喧嘩になったことがあった。その年代は男女とはいえ体力に極端な差があるわけでもな..
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Fate/gold knight 15きぃん、と金属同士がぶつかった音が鳴り響く。一瞬バランスを崩しかけ、青の騎士は自身の重心を低くすることで己が弾かれ、姿勢を崩されるのを防いだ。 「くっ」 セイバーが石段を踏みしめ、態勢を立て直..
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Fate/gold knight interlude-3頬に当たる風が、とびきり冷たく感じられる。 ボリューム豊かな金の髪がその風に煽られ、深い夜の中を一瞬のうちに駆け抜けた。 少女はおぼろげな意識のまま、人には到底出すことのできない速度で街を通..
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Fate/gold knight 14今日もマウント深山で買い物を済ませ、皆一緒に帰宅する。自宅の門扉が施錠されていないのに、開けようと手を掛けてから気がついた。まあ、俺たちの帰宅が遅くなったからだろう。藤ねえと桜はとうに来てるだろうか..
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Fate/gold knight 13放課後。クラスメートはほとんどが既に教室を出て、残っているのは俺だけになった。一成にも先に出てもらい、ことさらゆっくりと帰り支度をすませる。 「……さて、行くか」 朝よりは軽くなったカバンを手..
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Fate/gold knight 12「それじゃあ、いただきます」 『いただきます』 美綴も無事……とは言い切れないけれど見つかったことでみんな一安心したようで、いつもの通り、俺の一言から朝食が始まった。本日の食事当番にもここだけは..
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Fate/gold knight 11「たわけが。そなたが探しに行ったところで、どうなるものでもないわ」 まだ帰宅していない美綴を探しに行きたい、と提案した俺を弓ねえはそう一喝した。セイバー、アーチャー、遠坂も一様にうんうんと頷いてい..
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Fate/gold knight 10「なるほど。それは大儀であった、士郎」 マウント深山で買い物を済ませての、家への帰り道。今日、学校でやったことを弓ねえとセイバーに手早く報告したら、姉上はうんとひとつ頷いてくれた。弓ねえは学校に通..