車を売ろうとしても、どのくらいの価格で売れるのか事前に情報がなければ提示された価格が高いのか安いのか分かりません。
個人売買でなければ、通常は「車買取サービス」を使うことになりますが、査定額の相場が分からないうえ、地域によっても価格は異なります。できる限り高く売りたいのは当然でしょう。
車買取業者の比較一覧
車買取業者 | 特徴 | 買取方法 | 主な店頭所在地 | 売却後の減額 | 移転登録代行 | コールセンター受付時間 | 入金方法 | 入金までの時間 | 代車レンタル | 連絡手段 | 不動車の買取 |
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ビッグモーター | 接客対応に定評がある。買取金額も高めとして評価されている。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | あり | 午前8時~午後10時 | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 不可能 |
アップル | 買取価格は標準的。海外需要も加味して買い取る。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | あり | 午前10時~午後6時 | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 不可能 |
カーセブン | ユーザー目線のサービスが特徴。買取価格は標準的ながらサービスは良い。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | あり | 午前9時~午後8時 | 銀行振込 | 3営業日以内 | あり | 電話・LINE | 不明 |
ネクステージ | LINEを使って手軽に事前査定ができる。買取価格は相場通り。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | あり | 午前9時~午後9時 | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話・LINE | 可能 |
ユーボス | 査定から入金までが早い。急ぎの人におすすめ。買取価格は標準的。最短翌日振り込み可能。 | 店頭 | 東北、関東、東海、関西、中国地方 | 可能性あり | あり | 24時間受付 | 銀行振込 | 最短翌営業日 | あり | 電話 | 可能 |
オートバックス | 買取価格はあまり高くないが、大手らしいサービスの良さに定評がある。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | なし | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 不明 | |
カーチス | 査定価格はあまり高くない。ANAやJALのマイルが貯まるのが特徴。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | なし | あり | 午前8時~午後9時 | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 可能 |
ラビット | 車種によるが買取価格は高くない。査定に時間がかかる傾向がある。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | 可能性あり | あり | 午前9時~午後9時 | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 不明 |
ガリバー | 車種によるが、買取価格は低めの傾向がある。即決で入金が早いのが特徴。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | 可能性あり | あり | 午前9時~午後9時 | 銀行振込 | 最短2営業日 | あり | 電話 | 可能 |
カーリング | 現車の状態を重視する傾向がある。減額ポイントを加算していく方式。 | 出張、店頭 | 北海道、東北、関東、東海、関西、中国地方 | 可能性あり | なし | 銀行振込 | 店舗によって異なる | あり | 電話 | 不明 |
車の買取価格の決まり方
①車の種類で決まる
車種・モデル・グレード
車の買取価格を決める大きな要素は車種です。モデルによっても大きく変わる可能性があります。車種については業界の流行がはっきりと買取価格に影響します。
たとえば、最近は軽自動車の需要が高くなっており、価格相場はここ十年ほどで大きく上がっています。そのため、軽自動車の買取査定額も上昇傾向になります。
今後はミニバンやステーションワゴンなどの価格も上がってくることが推測されています。
また、メーカーはどの車種であっても定期的にモデルチェンジを行います。
モデルチェンジした後は、ひとつ前の世代のモデルの価格が大きく下落する傾向があります。そのため、新しいモデルが出る前に買取に出したほうが良いでしょう。
カラー
車種と同じ用に、車のカラーも査定額に影響を与えます。一般的に人気なカラーだと、それだけ需要があって販売しやすいからです。基本的には、白・黒・シルバーベースの色が人気色で、それ以外は価格が下がる可能性があります。
とはいっても、車種ごとにイメージカラーがあるあめ、赤や黄色、青といった他の配色がイメージカラーの場合は人気が高く、査定額が上がる傾向があります。スバルと言えば青がイメージカラーで、スバル車の青は需要が高いため売りやすいと言えます。
年式
年式は新しいもののほうが査定は高額になります。1年過ぎるごとに査定額は下がります。なかでも5年目と10年目は大きく査定額が下がる傾向があるため、節目にある車のオーナーは早めの売却を心がけましょう。
また、年式が古くても査定が高額になる車もあります。「旧車」として人気のある車で、プレミア価値があると言われるものです。所有している人は少ないながら、現在あまり走っていないレアの年式の車は高額で売れる可能性があります。
②重要なのは車の状態
人気の車であろうと、それほど人気のない車であろうと、重要なのは現車の状態です。日頃から丁寧な運転をしていて、メンテナンスもしっかりしている車は必ず査定で差がつきます。
現車
車全体の状態がどうなのかは大きな査定ポイントです。車体そのもの、内装の損傷、エンジン系統の調子は査定価格を大きく変える要素です。なるべくパーフェクトな状態が望ましいですが、「中古車」ですのでどうしても新品同様というわけにはいきません。
特に査定価格を下げるポイントは、エンジン関連の不具合です。修理が必要な状態のまま査定にダスト、場合によっては業者がパーツを交換しなければならないため、その分だけ減額されてしまいます。
また、内装は重要です。喫煙痕があれば致命的に価格を下げます。シートの状態も重要ですが、クリーニングしておくことで一定の改善が可能です。
これは売る側で対応できる部分なので、査定を受ける前に一通り掃除くらいはしておきましょう。車体の損傷については、小さなヘコミがある程度なら評価を大きく下げることはありません。
修復歴
事故を起こした車は「事故車」として扱われて、買取で不利と思われがちですが、実際には事故を起こした履歴よりも修復歴のほうが影響は大きいと言えます。
修復歴は「交通事故などによる自動車の骨格等の修復」のことで、特に車のフレーム部分などの修復を指します。フレームが損傷するほどの事故を起こした車は、不具合を起こす可能性が高く、中古車の購入者から避けられる傾向があります。そのため、査定額が低めに出ます。
一方、事故を起こしていても自動車のフレームの修復がないときには「修復歴」として扱われません。そのため、査定額の評価に大きな影響を及ぼすことは少ないでしょう。
走行距離
走行距離は、その車の耐用年数に関わる指標です。そのため、走行距離が長いほど使用期間が短いと判断されます。査定額は走行距離1万キロごとに下がるのが一般的です。ガソリン車なら10万キロ、ディーゼル車なら20万キロを超えると査定額は一気に下がります。年式が新しい車でも走行距離が長いと部品の消耗が激しいと判断されて、買取価格も下がります。
喫煙の有無
喫煙している人が乗っていた車は「喫煙車」として買取価格が下がります。タバコの匂いは喫煙者にとっては気にならないものですが、非喫煙者にとっては非常に不愉快な匂いです。買取業者からしても、タバコの匂いを取るとなると経費がかかるので、その分を査定額に反映させます。
メンテナンス状態
車は扱い方によって寿命が決まります。雑な運転をすると、車に負担がかかって長持ちしなくなります。どのように扱われた車なのかということは、メンテナンスの状況から判断されます。メンテナンスを日頃から細かくしている車は、それだけエンジン回りやブレーキの不具合も少なくなります。中古車として売る場合にも、大切にメンテナンスされた車は信頼性が高く、需要があります。
車が高く売れる時期とは?
①1月から3月が狙い目
一般的に中古車は、1年のうち3月頃に最も需要が高まります。日本では4月が新生活を始める時期にあたります。大学への進学、会社の就職、異動による転勤などの時期です。このときに車を買おうという気運が高まって、中古車も良く売れます。
中古車販売店は、新生活を始めようとする多くの人に車を提供する必要があります。そのときに多くの選択肢を提供して、台数を売ろうと考えます。そのため、できる限りの在庫を確保しようとします。そのため、4月に向けての数ヶ月間、中古車販売業者は買取に力を入れる時期になります。
毎年1月から3月にかけての時期が、中古車の買取市場が活発になると考えていいでしょう。逆に考えると、この時期を外すと販売業者としても無理して在庫を確保しなくて良いため、買取価格が下がる傾向があります。
②自動車税が課税される前
自動車を保有している人は、誰でも自動車税を国に納めています。税額は車の排気量によって異なっており、自家用車で2.5L~3L以下であるときには5万円ほどの税金の支払いがあります。自動車税は毎年必ず納めるものとされており、4月1日時点で車のオーナーであれば必ず課税されます。
この税金は基本的に一括払いです。支払う税金は「車に乗っていた前年度分」ではなく、「これから使用する翌年度分の税金」です。そのため、4月以降に売却すると税金を納めすぎることになります。
もし納税した後に車を売ると、自動車税経過相当額に関する書類を準備する必要があります。還付を受けるには「廃車手続き」をしなければなりませんが、何にしても面倒な手続きが必要となります。
毎年中古車の需要が高まって、買取価格が上がるのは1月から3月までですが、せっかく税金を納めてあるので3月ギリギリまで乗りたいと考える人も多いでしょう。
3月なら課税直前ですし、面倒な手続きも不要です。買取もスムーズでしょう。3月31日までなら自動車税を納める義務はありません。一時的な持ち出しもないので、車を売ってお金を残したいという希望に添うでしょう。
③車検との関係は?
車検まで長いほうが良い?
車検の時期が迫っている車を売りたいというケースもあるでしょう。このとき、「車検を通してからのほうが高く売れるのでは」と考えがちですが、実際にはあまり関係はありません。
車検に通っているということは、「違法な改造をしていない」「安全に乗れる車である」ということの証明です。そのため、買取でもその点を評価されて価格のアップも期待できそうですが、これは買取店の判断次第です。
一概に無関係とは言い切れませんが、プラスの査定となったとしても、大きな変わりはないでしょう。そのため、売ろうと思っている車をわざわざ車検に出してから売るのはおすすめできません。
車検が切れたら?
車検に出したところであまり査定額に変わりはありませんが、これが車検切れになるとまったく別の話になります。もし車検が切れていたら、日本の公道を走らせることができません。
車検が切れていたら公道を自走できないので積載車での運搬や牽引といった手段が必要になります。そのため、買取業者に余計な移動コストがかかることになります。その分、査定額も下がります。
もし車検が切れてから1年以上経ってしまったら、動かさずに放置したことによってタイヤのゴムや冷却系、伝送系の部品にダメージが起きている可能性もあります。そうなると、「買取業者」ではなく「廃車専用の買取業者」に依頼したほうが良いかもしれません。
ベストの時期とは
車検と買取価格の関係で考えると、期限切れギリギリのタイミングで売ったとしても大きな差額は発生しません。そのため、長く乗ったほうがお得であることは確かです。とはいえ、車を売るには様々な書類や手続きが必要ですので、車検が切れる3日前などのタイミングで売るのはおすすめできません。
ギリギリのタイミングで売ろうとしても書類不備などで売れないことも考えられます。準備している間に車検切れになってしまう可能性もあります。そうなっては無駄なお金が出ていくだけなので、最低でも車検切れの1ヶ月から2ヶ月くらい前を目安にしましょう。
買取価格に直接影響するのは
①型落ちすると価格ダウン
車種によってまちまちですが、モデルチェンジが頻繁に行われる車があります。発売から数十年以上経っているのに、いまでもフルモデルチェンジをしながら販売が続いている車も数多くあります。
フルモデルチェンジが行われると、ルックスも変わりますが性能面でも変化があり、こうなると「型落ち」と判断されます。
高く売れるのは現行のモデルで、型落ちになった時点で査定額はぐっと下がることは珍しくありません。そのため、フルモデルチェンジが実行される前に売却したほうが良いでしょう。モデルチェンジの情報はメーカーのホームページでも確認できるので、「そろそろ売ろうかな」と考えているのであれば、普段から気にかけておいたほうが良いでしょう。
特に、軽自動車を売りたいときには注意しましょう。軽自動車は普通乗用車と比較して安価なため、頻繁に買い換えるという傾向があります。フルモデルチェンジが行われると分かると、中古車市場には同じ車種やモデルの軽自動車があふれることになります。
供給過多状態になると価値が下がり、高値で買取できる可能性が下がります。こういった事態にならないよう、軽自動車を売りたいならフルモデルチェンジが行われる前がベストです。
②走行距離が長いと価格ダウン
走行距離が多い車だと査定額が大きく下がるのは当然のことでしょう。目安は「1年で1万キロ」が平均の走行距離とされています。そのため、この目安を大幅に超えていると、買取価格にも大きく影響します。4年乗った車で走行距離が2万キロなら走行距離は少ないと判断されますし、4年で6万キロだと多いと判断されます。
業者としては、現車の状態をトータルで判断したいところですが、走行距離が「1年1万キロ」を超えている車はそれだけ車体やエンジンに負担がかかっていると判断します。分かりやすい目安であるため、注意しておきましょう。
一般的にには「10万キロを超えた車は査定額が大きく下がる」とされており、実際にそういったケースは多い傾向があります。ただし、走行距離が10万キロを超えていても、「ワンオーナー車である」「メンテナンスがしっかりしている」「車体のダメージが少ない」といったプラス部分があるなら、充分に可能性はあります。
10万の大台に乗る前に売ったほうが高値で売れる可能性が高いと考えがちですが、単に走行距離だけで査定額が評価されるわけではありません。10年以上も大事に乗ってきた車なら、その点を評価されます。中古車業者としても、「前のオーナーがしっかりした人だったので大丈夫」と顧客に言うことができる状態なら、あまり気にする必要はありません。
③高く売れるポイント
整備記録簿がある
査定を受けるときに、整備記録簿があればプラスの評価に結びつきやすい傾向があります。メンテナンスノートとも呼ばれるもので、これまでに受けてきたメンテナンスの経歴を証明します。
中古車の購入を考えている人は「買ってすぐ壊れたらどうしよう」と不安を抱くことが多いため、きちんと整備を受けてきたことを証明できるものがあると売れやすくなります。整備記録簿があったほうが査定額アップに結びつきやすいと言えるでしょう。
純正パーツが付いている
高価な社外パーツを装備していたとしても、それがプラス評価に結びつくとも限りません。業者によっては、パーツによるカスタマイズがマイナス評価につながることもあるので注意しましょう。
純正パーツがあるなら、査定のときに用意しておきましょう。わざわざ交換する必要はなく、「純正パーツが揃っている」という事実が重要です。純正パーツだけでなく、取扱説明書などもあるなら用意しておきましょう。
車買取Q&A
基本的には以下の書類が必要になります。
- 自動車検査証(現住所、氏名を確認しておきましょう)
- 印鑑登録証明書(発行後1ヶ月以内を2通)
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書(有効期限に注意)
- 実印
- 振り込み口座の情報
- リサイクル券
査定額に納得した後は、以下のような流れで進みます。
- 売却契約
- 現車の引き渡し
- 名義変更に関する書類の引き渡し
- ローン残金があるならその支払い
- 業者から車両代金の振り込み