記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第238球ちょっと気持ちが悪かった。うまくいきすぎのような気がして…。体がいつもより軽くなってきたような気にもなった。プレーボールの頃はあれほど、重かったのに…。すいすい、投げた。ホームランも2発放ったのだか..
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第237球苦しかった。両親のつらそうな顔を見るのが嫌だった。どうして、もっと明るくなれないのか、って思った。でも、やがて、その思いさえも懐かしく思えるようになったのだから、幸せだ。あの頃があったから、今がある..
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第236球「どうして甲子園にいかへんのか」。会う人、会う人にそう聞かれた。「見に行きたいけど、自分には今、やらなければいけないこともあるから…」とそのたびに答えた。「息子もわかってくれています。球場に行かなく..
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第235球実にすがすがしい顔をしていた。やられたときは素直にそう思うようにしている。そう思うようになってから、強くなった気がした。引きずらずに次のステージに進むこともできた。失敗をバネにまた成長するんだ、って..
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第234球自分の姿が頭の中に描かれていた。スローモーションで事細かくイメージされていた。後はそこに、自らを当てはめるだけだった。はまれば勝ち。裏目に出たら負けだった。正直、それしか道がないような気がしていた。..
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第233球足場を軽くならした後、マウンドを正視した。「ヨシっ」と軽くつぶやく相手の顔が見えた。と同時に、もう構えに入っていた。あくまで自分のペースで戦いたい。先にファイティングポーズを取った。来た。初めて見る..
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第232球海斗マニア団長の香村瞳はバッグから赤い鉢巻を取り出した。額のところにちょうど「海斗」の2文字が刺繍されてある。守野台(兵庫)の1年生投手・飛浦海斗の甲子園Vを祈って、昨晩徹夜で準備した。ここぞの時に..
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第231球また両手を交差させた。「ヨシっ」。また小さくつぶやいた。今度はさっきよりも指に力を込めてみた。「やっぱり最初から、基本通りだったかな」と思いながら…。KOSMOS放送の塁沢アナも気がついた。ネット裏..
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第230球土煙があがった。またまた海斗マニアたちの悲鳴が響き渡る。瑞泉(西東京)風喜監督が大きな声をあげる。守野台(兵庫)の正捕手・石陪がひきつった顔で動いた。一塁走者の坂芽はもちろん、二塁に向かっていた。球..
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第229球球速はジャスト90キロだった。スタンドの海斗マニアたちが悲鳴のような声で騒いでいた。観衆はほんの少しだけ、ザワっとなった。ネット裏最上段のアンドロメダの面々もあっけにとられた感じだった。守野台(兵庫..
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第228球素晴らしい音がした。「ナイスボール!」。自然とそんな声が出た。とても病み上がりには見えなかった。それどころか、休み肩もあってか、以前より、すごくなっているようにも見えた。ベンチで見ていた守野台(兵庫..
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第227球守野台(兵庫)の1年生右腕・飛浦海斗は立ち上がりから苦しい投球だった。やはり疲れがあるのか、球のキレは今ひとつだったし、何より球速があまりにも…。紀中監督は背番号1を早くもブルペンに走らせた。ネット..