記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第202球一歩前に出ることさえできなかった。思うように動けなかった。どうしてもためらった。拍手と涙。その空気を邪魔できないと思った。そういう形で入り込んではいけないと思った。プロではない、かもしれない。それで..
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第201球灼熱地獄の後も、やはり暑かった。汗びっしょりになった。ひと言、ひと言が重かった。タオルを首からぶらさげた人たちに囲まれて言葉を選んだ。正直な気持ちが言えなかった。笑みはこぼした。でも、あまり、うれし..
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第200球マンモスの委員通路はごった返していた。首都タイムズ・アマチュア担当記者の樹鞍諒一も、その中にいた。9回表突入と同時に試合後取材のため、駆け足でスタンドから降りていた。通路内のモニター。「いったいどう..
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第199球クルリと背を向けた。サングラスを一瞬だけ外し、手で額の汗を拭った。手帳は内ポケットにしまいこんだ。階段を降りた。多くの野球ファンも続いた。「これで…」「これで本当に良かったのだろうか」。マンモスがや..
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第198球アンドロメダリーダーの大田原健太郎は、にしき水惣(愛知)のエース・結城亮のピッチングを見ているうちに、こう思わずにはいられなかった。「結城と彼とどっちが上だっただろうか。彼なら、結城の投球にどう立ち..
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第197球総立ちの真極学園(東東京)ベンチで、古城直人と高杉賢明がさらに身を乗り出していた。「もう一度…」「もう1回…」。ともにそう念じていた。「鷹! 頼む!」「神! 落ち着いていけ!」…。ネバーギブアップ。..
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第196球目が鋭かった。目が特徴的だった。目がウリだった…。首都タイムズのアマチュア担当記者・樹鞍諒一には見覚えのある顔だった。その時より雰囲気は変わっていたが…。事前に「ベンチ入りしたんだなぁ」と思っていた..
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第195球スーパーエース・結城亮(にしき水惣=愛知)の球はまたしても、とんでもないボールだった。マンモスがドッと沸いた。KOSMOS放送の絶叫アナ・塁沢高次のツバが飛んだ。真極学園(東東京)・大伴監督は身を乗..
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第194球「なぜだ?」「どうして?」。毛利拓馬(真極学園=東東京)は相手の心理がまったく理解できなかった。「足を警戒しているのなら、塁に出すのは嫌だろう。だから違う。もしかしたら、ただ遊ばれているだけなのか」..
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第193球ここぞという時に力が入った。ストレートの球速さえも自由自在に見えた。それも140キロ台、150キロ台、そして驚異の160キロ台といったレベルで…。今大会で、いや、この試合で、間違いなく進化した。それ..
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第192球ケロっとしていた。堂々としていた。落ち着いていた。ロージンを手に、いつものように軽くポンポンポン…。喜怒哀楽がないわけではない。悔しそうな顔もすれば、笑顔ものぞかせる。なのに、なぜか機械にも見えるよ..
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第191球声が枯れるまで応援は続いた。勝者と敗者。その熱に変わりはない。このまま勝ってくれ、と祈った。何とか逆転してくれ、と願った。勝っても涙、負けても涙…。真極学園(東東京)、にしき水惣(愛知)両軍サイドの..