記事「日経新聞」 の 検索結果 2588 件
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『等伯』(95)四月になり境内の木々が新緑におおわれると、日堯の容体も小康をたもつようになったので、一度だけ袈裟をつけ説法机に座ってもらった。 「法衣に着替えなくていいのですか」 「構いません。後でご上人さ..
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『等伯』(94)「あなたの絵の力量には、本延寺の日便さんが折紙をつけておられます。そのお力で私のありのままの姿を描いていただけば、後につづく修行者には分かるはずです。私の修行がどこまで進み、何が足りなかったかを」..
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『等伯』(92&93)信春は教行院という塔頭に案内された。 奥の間に入ると、日堯は夜具の上で体を起こしていた。 歳は三十。堺の豪商油屋の出身で、若い頃から英邁の誉れ高く、大本山本法寺の将来を託されて住職となっ..
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『等伯』(91)「お忘れでしょうか。本法寺の日賢でございます。あの折には、大変失礼いたしました」 「それで、何のご用でしょうか」 「お上人さまに日便和尚の紹介し上げたところ、どうして寺にかくまわなかったとたい..
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『等伯』(90)「ともかく駄目だ。明日は早い。もう帰ってくれ」 「こないなこと言いとうおへんけどな。先生をかくまっていると知れたら、うちかてどないな目にあうか分らしまへん。それを承知で半年もおいてやったんどっせ..
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江戸時代のエロなぞかけ(林美一・著『江戸艶本ベストセラー』より)二日続けて森鴎外ネタをやっておきながら、今日は艶本(江戸時代のエロ本)ネタでスミマセン💧 『等伯』で春画がどうのこうのという部分があったので、久しぶりに林美一氏の本を紹介しようと思い立ったもので..
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『等伯』(89)土間に敷いた筵にひざまずき、小鍋をのせた折敷をおいた。驚いたことに酒まで一本つけている。 「いける口ですやろ。おひとつどうどすか」 「いや、酒は飲まんのだ」 「無粋なことをお言いやすな。ち..
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森鴎外の『佐橋甚五郎』について昨日、森鴎外に関する記事を書いたので、ついでに今日も森鴎外ネタで。 現在、日経新聞で連載されている小説は、安部龍太郎先生による『等伯』ですが、その前に連載されていたのは辻原登先生による『韃靼..
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『等伯』(88)「今度の妓はどうでっか」 「若くてきりりとしている。青い着物にしたら似合うだろう」 「大臼屋の主人、何か言うてはりましたやろ」 「扇が売れて儲かっていると感謝された」 「それだけでっか」 ..
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森鴎外の『青年』について(日経夕刊「文学周遊」より)土曜日の日経新聞の夕刊には「文学周遊」というコーナーがあって、日本の文学にゆかりのある土地を紹介しているのですが、4月16日の夕刊で紹介されたのは、森鴎外の『青年』に出てくる東京の根津でした。 ..
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『等伯』(87)四条室町にある生野屋をたずねたが、塩をまかれるようにして追い出された。京都奉行の手はこちらにも回っていて、訪ねてきたならすぐに知らせとさんざん脅されたという。これで顔を隠せと、古い菅笠を投げてよ..
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『等伯』(85&86)あっという間に四、五人をなぎ倒した信春は、僧と子供を安全な場所まで避難させ、山の中の岩屋で一夜をすごし、僧の案内で北白川まで下りていった。 しかし延暦寺に縁のある寺はことごとく焼き払われてい..