記事「日経新聞」 の 検索結果 2588 件
-
『等伯』(49&50)信春はむろん知らないが、ふもとの町を見下ろす丘の上に古墳を集めるやり方は、韓国の慶州(キョンジュ)郊外の墳墓群とよく似ている。 そう考えれば能登半島にお熊甲祭りのように朝鮮の習俗をそのまま移..
-
『等伯』(48)「何でもない。何でもないんだ」 額や首筋に噴き出した冷や汗を静子にさとられまいと、信春は袖口でぬぐって横になった。 翌朝、一番の川船に乗った。客の集まりを待ち、満員になると船を出す不定期..
-
『等伯』(47)信春は背後に人の気配を感じてふり返ったが、橋の向こうにつづく道に人の姿はなかった。 その夜、信春はなかなか寝入れなかった。 「眠れないのですか」 静子が小声で気づかった。 衝立ひと..
-
『等伯』(46)「御仏は殺生を禁じておられる。己を殺すことも、教えに背く大罪じゃ。それを承知であのようなことをなされるとは、よほどの覚悟があってのことであろう」 日便和尚はしばらく暝目してから、あれは自害では..
-
『等伯』(45)「そなたはどう思う」 「初めは賊の手にかかるまいとなされたと思いました。しかし、近頃はそうではあるまいと思うようになりました」 「さようか。まだ盆のさなかゆえ、幽魂となって我らを見ておられるか..
-
『等伯』(44)「本光寺の永忍という者でございます。本延寺の日便上人のお申し付けで、お待ち申し上げておりました」 寺まで案内するといいうが、信春はすぐには応じなかった。 「一眼の亀に浮木を渡したい。そう伝..
-
『等伯』(42)卯の刻、午前六時に七尾を出た信春は、久蔵を背負い静子を後ろに従えて芹川にむかった。 路銀は潤沢にあるものの、七尾を追放されて無縁になった身である。この先何があろうと公権力に頼ることはできない..
-
2月13日の日経朝刊に掲載された『ウルルンドの幻』(その3)(その2からの続き) 《阿比留克人はついに韃靼のチャハル・ハーンから天馬三頭を譲り受けることができた。日本に輸送中、大嵐に遭い、危うく難を逃れるシーンがある。本当はさらに苛酷な出来事が待ち受..
-
『等伯』(41)夜は親子三人で城下の旅籠に泊まった。 信春の疲れがひどいことを案じた静子が、自分の幼ななじみが嫁いでいるからと強引につれていったのである。 静子は玄関先で店の女将と話をつけ、一番立派な床..
-
『等伯』(40)静子は以前と変わらず献身的につくしている。しかも家も故郷も捨てて行動をともにするという。 これほど自分のことを思ってくれていたとは、我ながら意外なほどだった。 やがて法要が終り、宗高を先..
-
2月13日の日経朝刊に掲載された『ウルルンドの幻』(その2)(その1からの続き) 《人物については以上の通りだが、反対に、彼らが動き回る場所・空間。状況については、できるだけ具体的な地図、図面、風景スケッチを準備する。 それは、人物は私の頭の中に..
-
2月13日の日経朝刊に掲載された『ウルルンドの幻』(その1)かなり遅れてしまいましたが、2月13日の日経新聞の朝刊に掲載された、辻原登先生による『韃靼の馬』のあとがきをご紹介します。 タイトルは『ウルルンドの幻』です。 《「韃靼の馬」連載を終え..