記事「チベット,ダライラマ6世,転生活仏」 の 検索結果 6 件
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ぼくがダライラマ?(21)儀式はすべて終わった。僧侶の姿になったぼくを見て、お母さんはひざまずいて合掌した。目には涙を浮かべている。湿っぽい気分になりそうなので、ぼくはあえて明るく振る舞うことにした。 「坊主にしてはいい男..
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ぼくがダライラマ?(18)すべてがぼくの意思に反して進められた。閉じ込められていた僧院を、名残惜しいと思うことはなかったが、気ままな生活を奪われるのは納得できなかった。しかも、数日の猶予しか許されなかったのだから。狩りをとも..
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ぼくがダライラマ?(16)ぼくの心の中で何かが吹っ切れた気がした。もう遠慮することはないんだと。それからは堂々と寺の門から外に出ていった。天気のいい日には、知り合った牧人の少年と野山を走り回り、ふるさとに似た草原に寝転がって..
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ぼくがダライラマ?(15)ぼくは思春期に達していたのだ。ひげも生えてきたし、声変わりもとっくにしていた。この年になれば、女友達の一人もほしいところだが、母さん以外の女性は、こんな山奥の寺の周りにはいなかった。だから、恋愛詩を..
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ぼくがダライラマ?(14)三 十年ほどの月日が流れた。その間のぼくは、幽閉されていたようなものだった。一日はただ円環の中で繰り返されて、その中に意味を見いだすことはできなかった。はっきり言って、時間..
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ぼくがダライラマ?(13)それからというもの、ぼくは以前の陽気さを失っていった。同じ年頃の小坊主たちが、チベット文字の書き方や、経文の唱え方を習ってる間、ぼんやり天井を見つめながら、怖い顔した忿怒尊が、悪い奴らをこらしめるさ..
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