記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第45話 悪夢-18「ご託はよしにするんだな。食事がいらないって言うんなら食べなくてもいいよ。あたし一人で食べるから。」 女は持ってきたスープをアドルフの目の前でこれ見よがしにすすった。 「もったいないね。こんなお..
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第45話 悪夢-17『あの女、もしかしてユグノーなのか?』 アドルフの心に疑念がわいてきた。 『ユグノーだとしたら…。なぜぼくを助けた?』 アドルフは自分がどういう状態でこの家にたどり着いたのか、その記憶はこれ..
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第45話 悪夢-16とある民家の住民のおかげで命拾いをしたアドルフは結局そこで一冬を過ごすことになった。助けられてしばらくの間、彼は重傷で動けなかったし、口をきくことすらできなかった。 彼を雪の中から発見し、そのま..
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第45話 悪夢-15カスタネはまるで凱旋将軍のように意気揚々とジャンのところへ行った。ジャンに首尾を問われるよりも早くカスタネは大きな声で言った。 「万万歳さ。サルガ男爵はおれの説得に応じてくれたぜ。それにさらに大き..
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第45話 悪夢-14カスタネの強引な態度にサルガ男爵は思わずたじろいだ。その時、部屋の隅の方から声がした。 「おい、カスタネ、それが人にものを頼む時の態度か。」 「ん? 誰だ、おれの名を知っているとは…。」 カ..
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第45話 悪夢-13ロランがヴェブロンの城に来て数日たったある日のこと、サルガ男爵は自分の城の周囲が不穏な状況になっていることに気がついた。 「な、なんだ。武装した連中に囲まれている。」 ロランはこれを聞いて覚悟..
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第45話 悪夢-12ロランはこの男爵がマルトの父親コルネリー氏とつながりを持っていたことに驚いた。考えてみればセヴェンヌの中でユグノーの貴族同士が知り合いであるのは不思議なことではなかった。心の底から改宗して身も心もバ..
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第45話 悪夢-11ポンピニャンで倒れていたカミザールの若者はヴェブロンの城の中で介抱を受け、やがて目を覚ました。 「うう…。」 「大丈夫か。」 「ここは?」 若者には戦場で倒れた時の記憶しかなかった。 「..
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第45話 悪夢-10この会議にはマルトも参加していた。マルトは自分の言葉通りあれから泣くことはなかった。少なくとも彼女が涙をこぼしている姿を誰も見ることはなかった。しかし、悲しみを堪え忍ぶ陰鬱な表情が彼女から消え去るこ..
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第45話 悪夢-9ポンピニャンの戦闘はカミザール結成以来はじめて数百人規模の犠牲を出す大敗北となった。これを立て直すべき人材は明らかに不足していた。マゼルは理由を明らかにしないまま隠棲し、ディマンシュは寝台から起き上..
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第45話 悪夢-8しかしながら、一七〇一年六月十六日――男爵はこの日付を片時も忘れたことがなかった――、彼の家庭は無惨にも崩壊した。 『あなたはこんなにもユグノーが迫害されているのを見て見ぬふりをし続けるおつもりな..
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第45話 悪夢-7ポンピニャンの戦場の跡を馬車に乗った初老の貴族が通りかかった。彼の馬車の後には数人の従者が騎馬で従っていた。まだ埋葬されていない死体があちこちに転がっているのを見て彼はつぶやいた。 「むなしい…。..