記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第44話 熱病-1これまでのあらすじ 一六八五年、ルイ十四世はフランスで信教の自由を求めていたナントの勅令を廃止し、ユグノーに対して過酷な迫害をおこなった。一七〇二年七月、南フランスのセヴェンヌで過酷な扱いを率先し..
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第43話 アブラハムの子孫-27しばらくの間、司祭は火の海となった書庫を残念そうに見つめていた。その様子からすればこの中にはよほど貴重なものがあったらしいことはマゼルにもわかった。司祭が血相変えて自分の身をも省みずに中に入ろうとし..
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第43話 アブラハムの子孫-26マゼルはその声に思わず手を止めた。 「たいへんです! 書庫から煙が!」 その言葉を聞くや、これまで平然としていた司祭は顔色を変えて脱兎のごとくその場から走り去った。 「おい、待て! やっぱり..
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第43話 アブラハムの子孫-25しかし、司祭は少しも動揺することなく、口元には微笑みすら浮かべていた。 「アブラハムの手にかかって神の御許に行けるとは、この上なく光栄なことだ。」 マゼルはこの司祭が何のつもりでこんなことを言..
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第43話 アブラハムの子孫-24マゼルはそれから別の棟にある礼拝堂の方に行った。すると、そこに一人の司祭がひざまずいて祈りを捧げているのが目に入った。最近、教会は襲撃を恐れて無人になっているか、あるいは逆に多くの兵士によって護衛さ..
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第43話 アブラハムの子孫-23マゼルはそれから約一ヶ月の間、たった一人でいくつもの教会や貴族の屋敷に火を放ち、めぼしいものがあれば戦利品として奪ってきた。 「へへっ、ちょろいものさ。おれ一人であいつらの何人分の働きができるかを..
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第43話 アブラハムの子孫-22マゼルは自分に向けられた非難を跳ね返そうとして、悪態で立ち向かったが、それは事態をいっそう悪化させた。 「なんだと! おまえだって同じだったじゃないか!」 「そうだ。おまえの食べ方が一番下品だっ..
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第43話 アブラハムの子孫-21「それにしても、マゼルはたいしたものだ。」 「ふっ、これくらい余裕だぜ。男はいざというときには信じられねえ位の馬力がでるもんだ。」 マゼルが長持ちを背中からおろして開けてみると、四人は一斉に叫び..
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第43話 アブラハムの子孫-20「アレク、おまえ一人だけ逃げたと思ったぜ。」 「そんなことするものか。腹が痛くなったふりをしただけだ。その代わり武器庫を探し当てることができたんだ。」 三人はアレクサンドルの手招きに従って武器庫..
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第43話 アブラハムの子孫-19城主と奥方が席を外すとマゼルはさっそく後の二人にことの成り行きを説明した。 「なんだって?」 「あいつまさか、おれたちを置いて一人で逃げ出したわけじゃないだろうな。」 「とにかく、今度城主が戻..
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第43話 アブラハムの子孫-18オマール海老やエスカルゴといった珍味にかぶりつく三人の食事作法は急に優雅さを失った。それに最初に気がついたのは奥方であった。 『まあ、この下品な食べ方はいったい? それに、さっきから変なにおいがす..
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第43話 アブラハムの子孫-17城主はアレクサンドルをすっかりカチナ元帥の甥と思いこみ、自分の息子を引き立ててくれるよう元帥に頼んでほしいとまで言ってきた。アレクサンドルはこれに対して曖昧な返事でうまくはぐらかした。 「ところで..