記事「現代美術」 の 検索結果 572 件
-
高松次郎ミステリーズ展、「月映TSUKUHAE」展を観ました紅梅と 気付かせてゐる くもりかな (安東 次男) そろそろ梅の開花も始まりましたね。安次(あんつぐ)さんのこの句、春らしい湿り気を含んだ曇天のもとに、紅い花を開かせた梅を詠んだもの。..
-
日仏会館では「美術を哲学する」+陸前海岸で舞う笠井叡を撮った小野田桂子写真展冬日あり 実(げ)に頼もしき限りかな (高浜 虚子) 虚子先生、昭和32年1月の詠です。最晩年の自在な心性から生まれた佳句ですね。大岡信さんは「柄の大きさ、懐ろの深さ、感情の茫洋た..
-
谷川俊太郎さん、立原を語る会+M・ゴンドリー展と福田尚代さん+吉増さんIN札幌ゆく年の 硯(すずり)を洗ふ 厨(くりや)かな (三好 達治) まだ大晦日には数日ありますが、「ゆく年」の句です。三好はよく色紙などへの揮毫を依頼されたそうですが、墨と硯は親し..
-
近藤等則氏、熱演+デ・クーニング展、観ました+遠山一行さん、逝去金屏の 松の古さよ 冬籠 (松尾 芭蕉) 芭蕉の句、ここに初登場です。これは、例の『七部集』のなかの「炭俵」の巻の序文に出ています。金屏風に描かれた古い松の絵を眺めながら、冬の..
-
福田尚代作品集、出ました+高橋順子さん、歴程賞パーティーにて+アガンベン新著星空へ 店より林檎 あふれをり (橋本 多佳子) 多佳子の句には強靭な自我意識があると指摘されますが、秋の夜の果物店の情景を詠んだこの句、叙景の筆も強烈なタッチです。真っ赤で艶や..
-
新潟紀行(後半)、上原木呂氏宅から砂丘館へ、会津八一の書など姿見に 映る楓の 夕日かな (井月) 信州の伊那谷を放浪して「乞食井月(せいげつ)」とも呼ばれたこの俳人ですが、その句にはどこか品のあるのが魅力です。大正年間に出た句集には芥川龍之介が跋..
-
ヴァンジ美術館にイケムラレイコ展を訪ねました+近藤等則さん、「地球を吹く」ライヴ去年より 又さびしいぞ 秋の暮 (与謝 蕪村) 蕪村の句にしては珍しい、ストレートに感慨を述べた一句ですね。絵画性や物語性こそが蕪村らしさの証明ですが、この句には「老懐」と詞書が..
-
原美ではアート・スコープ+ウェン・ウェア・フェス開幕+種村季弘展、観ましたぶりきの蝉 へこへこと 秋立ちにけり (高橋 睦郎) 暦の立秋はとっくに過ぎましたが、彼岸を迎えてやっと秋、が実感されます。詩人の睦郎さんの句歌集『稽古飲食』、20年以上昔の刊行でお..
-
久万美の馬越舛太郎展、大いに驚きました+松山での墓参行夕蝉の しばらく地虫めきにけり (石田 波郷) 秋に入って、夕方の蝉声がどことなく地虫の鳴き声に似て聴こえる、という句境を詠んだものですね。波郷の郷里である四国の松山を先日訪ねましたが..
-
佐倉に浅井忠展を訪ねました+柳澤紀子さんの版画新作展、鎌倉にてうぶすなは 提灯だけの 秋祭 (飴山 實) 「うぶすな(産土)」とは、生まれた土地の守り神をいいます。(初詣にお参りする地元の「氏神さん」とは違うらしいです。ややこしいな。)その秋祭..
-
紀州滞在記(2) 国立国際美「ノスタルジー&ファンタジー」展+京都は詩仙堂など空海も かく日に焼けて 旅せしか (長谷川 櫂) あの弘法大師空海も、こんなに日に焼けて旅をしたんだなあ。真夏の炎天下、真っ黒になって杖をつきながら歩く、四国八十八ヶ所のお遍路さん..
-
岩波ホール「大いなる沈黙へ」観ました+ルドルフ・シュタイナー展、見どころ沢山です大雨のあと 浜木綿に 次の花 (飴山 實) 台風11号が、西日本各地に大雨や暴風の爪痕を残して日本海に、です。飴山氏のこの句、浜木綿の咲く南国の海岸の情景を詠んだもの。大雨でうち..