記事「豊島与志雄」 の 検索結果 10 件
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『山の別荘の少年』豊島与志雄とんびはなにか赤いものを両足にひきつかんで、その両足をちぢめて腹にくっつけ、大きく羽をひろげて、羽ばたきひとつせず、ふうわりと宙にうかび、さもうれしそうになきながら、舞いとんでいます。日の光を..
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『山吹の花』豊島与志雄黄と紫との二色になってる小さな花の群れ、紅みの見える小さな果実、それを小枝の楕円形な葉裏に眺めると、如何にも可憐だった。
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『牛乳と馬』豊島与志雄わたしは黙ってその話を聞いた。何とも言えなかった。何の悲しみも感ぜず、ただ、わけの分らぬ大きな深い憤りを感じた。
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『天下一の馬』豊島与志雄悪魔だからといったって、 困ってるなら泊めてやれ。 悪魔の子供を呑み込んで、 あくびと一緒に吐き出した、 天下第一の黒馬だ。 はいどうどう、はいどうどう。
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『彗星の話』豊島与志雄しかし空を飛ぶのは容易なことではありませんでした。それでケメトスは、高い所へ飛び上がったり飛び下りたりして、せめてもの心やりをしたいと思いました。飛び上がる方はむずかしいけれど、飛び下りる方は..
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日本文学100年の名作 第4巻 木の都(池内紀・川本三郎・松田哲夫)新潮文庫創刊100年記念として刊行された、中短編アンソロジー全集の第4巻。1944年から1953年の10年間に発表された15篇を収録。収録作は、織田作之助「木の都」、豊島与志雄「沼のほとり」、坂..
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LES MISERABLES 8(新井隆広)道は二つ。 ジャン・ヴァルジャンを見逃す罪を犯すか… ジャン・ヴァルジャンを捕らえる罪を犯すか。 そのどちらも 罪――― 罪を犯した者は、 裁かれなければならない。 私はこれより己を..
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LES MISERABLES 7(新井隆広)燃えあがるは不安、不満憤怒。 それだけではない。 情熱の奔流。 主義を叫ぶ防風。 理想の曙光。 そこには秩序をもって群衆を導く一団があった。 全ての者に〝パン〟と〝教育〟を、..
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LES MISERABLES 6(新井隆広)〝野蛮〟 この言葉を我々は甘んじて受けよう!! 革命の混沌たる始まりの時において、 我らは憤激し宣言するのだ!! 平等を! 友愛を! 自由を!! 我らは怒号し咆哮を上げる!! ..
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猫捨坂(豊島与志雄)病院の裏手に、狭い急な坂がある。一方はコンクリートの塀で、坂上の塀外には数本の椎が深々と茂っている。他方は高い崖地で、コンクリートで築きあげられ、病院の研究室になっている。坂の中央に、幅二尺ほどの..
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