記事「ポエム」 の 検索結果 3136 件
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十二節:大暑(晩夏):夕化粧雨 大粒の 一つ 窓を撃つ それは 撃鉄に 叩かれた 弾丸 空 かき曇り 雲の 濁り水 風が 咲かすのか 夕化粧の 一輪
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柳蘭夏の照り返しの向こうに 柳蘭が咲くころ わたしはいつでもここに来て 風の形を追うの じっと手庇しをしたまま 身じろぎさえしないで あなたは視線のその先に なにを追いか..
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十一節:小暑(晩夏):風鈴市お大師様へと導く 細い参道を急げば その浴衣の白地に舞う 淡い蝶が風に溶ける 行きかう人の波に 漂うように往けば 風鈴のか細い吐息が 甘く切なく風を染める ..
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十一節:小暑(晩夏):田草取 ~祭閉じれば~祇園の祭の賑やかに 小路の奥にも人の群れなす 祭の繁華をくぐって 寺社の翠を当てに 暦は晩夏を指さし それでも夏はまだ衰えもせず 木陰を吹き抜ける風が 涼という字..
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十一節:小暑(晩夏):遠雷蓮の花のすぐ隣 雨の波紋が生まれ 濡れて艶やかな 花びらに 遠雷 遠い記憶は揺れて 恋の薫を誘う 夏の空の下 耳に泣く 遠雷 有情と無情の 隙間に..
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十節:夏至(仲夏):七夕の夜にねぇ 海に注ぐ 天の川を 見つけたことがある? なんて 広くて清しい 天を下る川を 七夕の夜に 愛しい人の名を呼べば 星 ひた寄せる岸辺に 彼の人..
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十節:夏至(仲夏):夏越の祓水のせせらぎ恋し さりとて求めもせむ 蛍の去り際に ひとひらの翡翠 罪多しと言えども 涙に流しもせむ 夏越の祓に 茅の輪くぐりの朝 ささめの雨に ..
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十節:夏至(仲夏):竹酔日夏の日永の 頂点を迎えて 一人 竹の林に立つ 寺の読経の 喘ぎつつ流れて ゆらり 足元に降り注ぐ 竹酔の日ならではか 翡翠の美しいこと 吹き渡る風さ..
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愛の言葉はなくていい愛の言葉はなくていい いつもそばにいる必要も ただ 心の小指は それだけは離さないでいよう 空の機嫌が変わるように 人の思いは彷徨うもの ただ どん..
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九節:芒種(仲夏):紫陽花花が咲けば思い出す あなたと行った紫陽花寺 傘を重ねて上った 緩やかな花小道 梅雨の空の鈍色に 彩り添える紫陽花寺 夢の表に浮かぶ 思い出の花小道 二人..
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月見草夕暮れに開いた 月見草の白の その隣で 紅い空を見上げる あと少しすれば 夕闇の帳が 音もなく 降ろされるのだろう 可憐に開いた 花びらで深呼吸 ..
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九節:芒種(仲夏):蛍山間に舞い踊る 蛍の艶やかなこと 灯ってはまた消える 翡翠の命 冷たく舞い踊る 光の哀しげなこと いつか散ると知った あの花のよう 小さな灯火を ..