記事「ポエム」 の 検索結果 3136 件
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語り継ぐべきもの語り継ぐべきものが もしもあるとすれば 貴女を愛したという その事実だけ 確かに貴女を 強く抱きしめたという それだけが確かなこと 語り継ぐべきものが もしもあると..
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九節:芒種(仲夏):五月富士頂の雪の白が 風に攫われれば 統べて雄渾なる 五月富士 古の旅人の 遥けき望めば 水面に揺れ戯れ 五月富士 青霞の姿は 雲の影をまとい 夏光の彩に ..
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翁草通勤電車の外を 明治神宮が飛び去る 梅雨空の下で 木々が潤ってた どういうわけか君を 唐突に思い出した 軽い眩暈の渦に 吊り革を握りなおす 庭に咲いた花..
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八節:小満(初夏):雪見草空木の枝に 卯の花が咲いた 季節外れの 雪のように 初夏の風に 妙になじむ 白い花 雪のような 空木の枝に 卯の花が咲いた 季節外れの 雪のよ..
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八節:小満(初夏):末摘花末摘花で 原が染まれば 足の速い初夏の風も 鮮やかに染まる 小町紅の きらびやかになる いとをかしと呟いたか その時の風も 去りゆく旅人の 背中を..
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サヨナラの代わり優しく微笑んで 元気でねと言う もう二度と会わない人へ サヨナラの代わりに 自分を騙してた むせび泣く心 最期じゃないと 言い聞かせながら 思い..
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八節:小満(初夏):青嵐吹く 吹く 青嵐が吹く 初夏の梢を揺らし 色濃くなった木の葉を叩いて 吹く 吹く 青嵐が吹く ビルの..
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七節:立夏(初夏):棚田棚田が夕闇に沈む前 煙草の先に火をつけた 世界が光を失って シルエットだけが浮かぶ 没してしまうまでに もう少し時間があるだろう 吹き渡る風の中に 明..
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七節:立夏(初夏):種まき朝顔の種を蒔いたの あなたが教えた場所に 西向きの 軒下の ちょうど雨どいの下あたり 指先で開けた穴の中 ひとつずつ数えるように 柔らかな その声を 懐かしく思い..
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七節:立夏(初夏):カーネーションカーネーションの季節が来た 花屋の店先が華やぐ 子供のころは造花みたいだって そう思っていたわ カーネーションと言えば母の日で 真っ赤な花が配られたっけ ..
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故郷へ故郷へ向かう列車の 座席に沈みながら 飛び去る景色を見ていた 時間を巻き戻すように ビルの数が減ってゆき 翠が増えてきて いくつも河を飛び越えて 時間を巻き戻してゆく..
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六節:穀雨(晩春):牡丹牡丹の花咲けば 八十八夜間近 百穀春雨の 細の美しさ 春告魚の群れ 日永に舞う花びら 虹を点す陽射しは 夏近しと伝う 遅日に戯れる子らを 誘うような茜..