記事「外国人」 の 検索結果 4962 件
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三 不審な在宅事件(11)主要県道沿いに第五平和荘は建っていた。大渕は行方不明だった男の息子とともに、在留資格変更許可申請をした男の住むという部屋を訪ねようと近付いた。 大渕は建物の正面から入ると、玄関先を素通りして裏手..
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三 不審な在宅事件(10)その時、メイランが携帯電話で男を吊り上げる方法を思いついたのだった。 落とした、正確には置き忘れた風を装った携帯電話を、拾った男が連絡して来る。その御礼にと言ってメイランが男に取り入ろうという計..
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三 不審な在宅事件(9)メイランと片岡が知り合ったのは、メイランが落とした携帯電話を片岡が拾ったことがきっかけだ。 初めはへたくそな小説のような出会いだと片岡は思ったが、メイランの容貌と綺麗な響きを持った声に、片岡はあ..
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三 不審な在宅事件(8)大宮駅の東口は西口と比べて、どこかのんびりとした風情を醸し出している。周辺の建物も西口に比べて低層のものが多く、小さな店が密集する路地などもあることで、尚更に地方の駅前のような雰囲気だ。 しかし..
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三 不審な在宅事件(7)八方塞がりでどうしたものかと、途方に暮れていた大渕を花村のその言葉が解決方法を示し、前に進もうとする気持ちを再び甦らせた。 花村の助言によって取り寄せた戸籍の附票から、申請した男には息子が一人い..
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三 不審な在宅事件(6)大渕は目的地に近づきつつこれまでの経過を説明した。 窓口に在留資格の変更を求めて、初老の男と若い中国人の女が現れた。提出された書類はきちんとしたもので、 最初に大渕が感じた違和感を除けば、直ぐに..
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三 不審な在宅事件(5)さいたま出張所から申請書に書かれていた居住地である第五平和荘は、さいたま出張所の最寄り駅である北与野駅から出発する埼京線ではなく、コンコースによって繋がれているさいたま新都心駅から、京浜東北線や宇都..
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三 不審な在宅事件(4)さいたま出張所の会議室で、大渕は同じくらいの年恰好の男と話し込んでいた。 「お父様はいつ頃から行方不明となっていたのですか」 「家を出てからもう七年近くになります。しばらくは連絡も仕送りもあった..
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三 不審な在宅事件(3)住所を同じくしていたり、証人が重なっていたりする今回の不審な事件について気付き発見したのは、大変な思いをしてまでも花村が続けてきたことの成果だとも言えた。 「実態調査に出かけるか。浦和であれば半日..
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三 不審な在宅事件(2)花村はかつて九鬼とともに在宅事件の処理をしていたときに、九鬼が自分の手持ち事件だけではなく、部下に配分した事件についても最後まで把握しようとしていた様子から、その立場になった花村自身が自分の手持ち事..
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三 不審な在宅事件(1)在宅事件を扱う調査第三部門の主任、不法残留や不法入国した後で、日本人や永住者などと結婚したことを理由に、在留を認めて貰おうと出頭してくる外国人の事件を取り扱う部署の最前線の責任者である。 そこに..
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二 逃走と追跡(12)「でも、何処にいるのかくらいは分かっているのでしょう。確かに私と彼との間でやってしまったことだけど、最近、私の周りで警察が調べているような感じなのよ。夫にばれてしまう前に、パスポートだけでも処分してし..