記事「日経新聞」 の 検索結果 2564 件
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『琥珀の夢』(143~146)父・忠兵衛の四十九日が終り、四天王寺の墓所へ忠兵衛の骨を納めた。 信治郎は、その頃、釣鐘町の家を早くに出て、河内の葡萄畑を見に行ったり、外国人居留地へ知り合いの中国人執事や、日清戦争以降、中..
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『琥珀の夢』(140~142)通夜、葬儀と続いたせいか、信治郎は奥の間で少し休んだ。 表へ行き、井戸の水を汲んで一気に飲み干した。 ――マキは、常吉はどないしてんのやろか。 母屋に戻ろうとすると、障子越しに薄っす..
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『琥珀の夢』(136~139)生まれてこのかた忠兵衛が信治郎にむかって声を荒げたのは、あの夜だけだった。 ――お父はんはほんまにやさしい人やった……。 「おまえ一人の食い扶持は米殻商をやる時からのけたあるんや」 信..
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『琥珀の夢』(132~135)「ご苦労はんやったな……」 店に戻った信治郎は、番頭の藤次郎と伊兵衛に労を犒われた。 「信吉、旦那さん、東京で何かあったんか……」 伊兵衛が言った。 「いいえ、何もおまへんでしたが、何..
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日経新聞日経新聞の【サイエンス】という記事をご存知ですか? これはあまり大きく無い記事なのですが 興味深かったので皆さんに伝えたいです。 【微かなニオイ検知し人命救助】 というタイトルです..
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乗車車両を変えるとおはようございます、ともやんです。 今朝、乗車車両を全く変えてみました。 全く別の世界が見えました。 綺麗な女性を見掛けました。年の頃、30才前後。日経新聞を読んでいます。指がスッと伸びて美..
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『琥珀の夢』(128~131)「だんなさん、す、すんまへん。余計なことを口にしてもうて、かんにんしとくれやす」 「あの主人が“赤門印”の味覚で何も言わんかったんは、そんな理由とちがう。信吉、おまえは何もわかってへん。わかって..
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『琥珀の夢』(124~127)信治郎は東京の問屋の店半分が、畳敷きではなく、机をはさんで客と対峙しているのに驚いた。 儀助が店の主人と語らいながら奥からあらわれた。手に袋をかかえていた。 「いや、いろいろ教えてもろうて..
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『琥珀の夢』(120~123)「旦那さん、夕食にいたしましょうか」 信治郎は葛籠を開けて御寮さんの用意した弁当を取り出し、竹筒に入った冷水を差し出した。 大府を過ぎた頃、信治郎は掛布を出し儀助の膝の上にひろげた。 ..
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『琥珀の夢』(116~119)日本中どこもかしこも日清戦争の勝利で有頂天になっていた。 「えらい金が入ってきよるで……」 それだけで商人、商業は勢いがついた。その上、自分たちの国は、あの大国清国を倒した国である、と日本..
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『琥珀の夢』(112~115)今でこそカクテルに欠かせないリキュールのベルモットにしても、当時は“ベルモト酒”として、彼等はこれを製造することに懸命になっていた。 信治郎は儀助と、西洋の酒を調合、合成しながら試作していく..
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『琥珀の夢』(108~111)「わてが彦根の“鶴屋”言う薬種問屋の奉公をやめて、大坂へ出たんは、ある僧侶(ぼん)さんの話を聞いたからや。十七歳の時やった。 わての奉公先の近くに寺があってな。そこに時々、願掛けに通ってたんや..