記事「オリジナル小説」 の 検索結果 738 件
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青の人々 五十それからしばらくして、カームァンクとギィがたくさんの土産物を背負いコントの泥棒の様な恰好で宇宙船に帰って行った。七課は、また何気なく日常へと戻っていた。 「また課長は何処に行ったんですか。」と、..
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青の人々 四十九黒崎は内心で躊躇った。黒崎は、ただ、自分達の力がどういうものかを感覚で知っていた。それは、簡単に言えば、無限に増え続けようとしているかにみえる、この宇宙に流れ込んでくる観測することの出来ないエネルギー..
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青の人々 四十八市庁舎の屋上に出た黒崎と薫は、ベッキーに出入り口の見張りを頼むと、お互いに急いで背中合わせに立った。その瞬間。黒崎は完全体になる事に躊躇いを感じているのを薫に話そうかどうか迷った。しかし、時間がない事..
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青の人々 四十七そもそも、宇宙船の中では、其々の種族が自治をしているままであった。それは、いわば地球の国や州の様なものであった。その為に、月に匹敵する程の大きさの宇宙船の中は、一つの原始的ともいえる地球の様な連合制度..
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青の人々 四十六レンダの最期は惨めといえば惨めであった。集団王制の種族の中で王族の血を引く高い地位にありながら、自らの歪んだ性格と思想の為に種族を追われた形にされた挙句、追い詰められて世界に名を知られているわけでもな..
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青の人々 四十五その頃。大阪は中心部が消滅状態になり、周辺部も壊滅的状況に陥っていた。そのうえ、開放された熱エネルギーは大阪市どころか大阪府の半分を焼き尽くし、爆発の被害は近隣の奈良県や京都府や兵庫県の一部にまで山に..
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青の人々 四十四十七年前。レンダは仲間達とアメリカを介して在日米軍の司令官と親しくなって、その人物に寄生精神体を寄生させると、そのまま洗脳して、密かに地球での異星人達の拠点がある北海道に移動した。そして、そこで駐屯し..
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青の人々 四十三実際、クノソの外骨格が潰れて体液が染み出ているというのは、クノソの体にとって、相当な重傷であった。そのクノソの状態を見て、偽の山崎美香が、 「ふん。確かに力だけなら一年でも持ちそうね。でも、現実..
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青の人々 四十二そう、それは鎧の様なクノソの体であれば薫の力の解放による大規模な爆発的状況にも耐えられた。そして、まだ石や土砂が降り注ぎ土埃が舞い上がる儘で辺りがまるで見えない中、黒崎達を囲んで傍に近付いて来る事も可..
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青の人々 四十一山崎美香の姉の名は美月といった。山崎美香は姉とは年齢が十一歳程はなれた姉妹であった。十七年前のあの日。山崎美香の高校三年生だった姉は偶然事件に巻き込まれてしまい。死体すら残らない死に方をする事になった..
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青の人々 四十結局。第一課が果たすべき任務を終えて北海道に戻って来たのは、更に一週間後のことであった。その時になって、山崎美香も第一課と一緒に帰って来た。そもそも、山崎美香は本来、第一課の職員であり、有給で休みをと..
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青の人々 三十九そこからは、皆、滴る汗を拭いながらの作業になった。地球の機材を理解しているのは真北主任と山崎美香と、地球暮らしが長い三条寺とベッキーであったが、三条寺は音響などの配線には疎かった。結局、カームァンクと..
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