記事「ジョン・ニコル」 の 検索結果 56 件
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『バイロン伝』第三章 5/5一八〇九年の一月二十二日にいよ/\彼が成年に達して、バイロン家を正式に相續する事になつたので、祝宴が開かれた。然し、財政状態があまりよくないので、さまで盛大にやるわけには行かなかつた。 その年の..
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『バイロン伝』第四章 1/4第四章 旅行時代 バイロンの生涯を見る場合には、何よりも先づ彼のした旅行を見のがしてはならぬ。と言ふのは、彼と言ふ人間の特異性が、その旅行に於て最もよく現はれてゐるからである。 バイロンが..
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『バイロン伝』第四章 2/4次に馬でやつて來たのは、スペイン大西洋岸のカディツである。この町で見た鬪牛や、その他の景色の美しさは、後に詩や散文で描いてゐるが、よほど此處が氣に入つたと見えて、 「美しいカディツは宇内隨一の地で..
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『バイロン伝』第四章 3/4メソロンギで今迄連れてゐた從者等の大部分と別れてしまつて、パトラスを指して旅を續けた。それよりヴォスティッツァへ行つて、パルナサス山の姿を見た。更にリヴァディアに出て、テーベに至り、トロフォーニアス..
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『バイロン伝』第四章 4/4バイロンとホブハウスは七月の十四日にコンスタンティノープルを出發した。ホブハウスは、このまま英國に戻ることになつた。何故彼一人が戻ることになつたものか、その理由は判然としないが、バイロンは別にそれに..
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『バイロン伝』第五章 1/4第五章 ロンドン生活 ロング、ウィングフィールド、エッドルストーン、マッシュース等の友人が死に、母が歿した後のバイロンの周圍は、かなり寂しいものになつた。悲しい心を抱いて、彼はニューステッドか..
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『バイロン伝』第五章 2/4一八一三年の四月には『ワルツ』が出版された。これにはバイロンの著者名が無い。同年の五月には『ギアオール』が出版された。これはそれまでの三ヶ年間に書き上げられたもので、彼の書いた最初の物語詩であつた。..
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『バイロン伝』第五章 3/4その次に忘れてならないのは、彼とスコットとの關係である。丁度その頃、スコットはムーレイ氏を間に立てゝ、攝政謁見の事でバイロンに手紙を出した。そして、この手紙がきつかけになつて、二人の間には親しい交際..
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『バイロン伝』第五章 4/4バイロンと湖畔詩人とを比較考察する事は、なか/\興味の深い研究になる。バイロンも湖畔詩人も、最初の出發點に於ては、革命的精神がその詩の根本になつてゐる。バイロンに於てはこれは既に説明も不必要な位に明..
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『バイロン伝』第六章 1/5第六章 結婚 バイロンは美しい容貌の持主であつた。美しい眼の所有者であつた。スコットが曾て、「私は現代の英國の立派な詩人と言ふ詩人に逢つた。その中でバーンズが一番かゞやかしい眼を持つてゐる。だ..
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『バイロン伝』第六章 2/5彼には美貌があつたばかりでは無い。地位があつた。聲譽があつた。そして詩の輝くばかりの魅力があつた。外遊中の戀物語があつた。繪のやうな憂鬱と、何かしら神秘を藏してゐるやうな魔力があつた。これらが彼に接..
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『バイロン伝』第六章 3/5さて元へ戻る。バイロンは華やかなロンドンに社交界の寵兒として、その日その日を送つてゐながらも、彼の財政状態が次第に惡くなつて行くのをどうする事も出來なかつた。それに再び南歐の旅行に出たいと言ふ憧憬は..