記事「倫理学」 の 検索結果 61 件
-
『他人に何かをして貰うこと(贈与-返報)』の負債感の増大と経済取引に求められるサービス・人間関係の質今の日本でもっとも共有性の高い道徳規範は『他人に迷惑を掛けてはいけない』というものであり、これは『己の欲せざるところ、人に施すことなかれ』という儒教道徳にもつながっている。『他人の喜ぶことをして上げな..
-
近代社会(資本主義社会)における非生産的な『高貴性』と『聖性』の消滅:無欲・貧困の怠惰への転落『前回の記事』の続きになるが、仏教思想では『煩悩(欲望)』によって人間の心が曇り汚れるという人間観が前提にあり、俗世間は人々の無数の不浄な煩悩に覆われた『穢土(えど)』と仮定される。穢土(俗世)から離..
-
近代産業社会の労働道徳と『脱俗の聖域・無欲の聖性』を生み出した前近代的な宗教(仏教)の禁欲道徳近代産業社会とは労働道徳と市場経済によって成立する社会であり、自然科学と功利主義によって『宗教・思想』の大部分が迷信や誤謬として退けられることになった。日本の歴史では、キリスト教やイスラム教のような一..
-
『公共の場では静かにすべき』というマナーが持つ現代的意義:他人に注意すること・他人から注意されること現代社会では価値観やライフスタイルの多様化によって『他者と共有できる常識・慣習的規範』の幅が狭くなってきている。その結果、過去には明確なマナー違反あるいは礼儀(常識)からの逸脱と考えられていた行為を注..
-
“ハレのウェブの認知”が引き起こす心理的な解放感と反社会的な危険性:ウェブ社会の暗部の回避前回の記事の最後でウェブの長短について書きましたが、良くも悪くも、ウェブ世界は現実世界を反転させた鏡像であると考えることができます。それは、現実にもウェブにも『善人・悪人・一般人・強者・弱者・知者・愚..
-
アリストテレスの『二コマコス倫理学』と実践三段論法によるエウダイモニアの追求生理的な快(欲望)に駆動される『動物化する生』に拮抗するのは、生理的な快の誘惑に逆らって倫理的(意図的)な善を実現しようとする『人間的な生』である。人間的な生とは、端的に、『主体的な選択と決断を伴う生..
-
ソクラテスの産婆法とプラトンのイデア論:ロゴス(言葉)に生命を吹き込む知行合一の生き方前回の記事で、プラトンのイデア論について言及したが、正しく善く生きようとする倫理的(理性的)な意志を放棄して、その場その場で湧き起こる欲求や必要を満たし、与えられた義務や責任を果たしていけばそれで良い..
-
プラトンのイデア論(本質主義)と善悪の価値判断の変遷:目に見えない普遍的価値を目指す人間の本性前回のプラトンに関する記事で、自然科学が人間の価値判断に直接的にコミットできないという話をしたが、哲学という思弁的な学問の魅力の一つは、人間が感得する価値の根拠に直接的に言及して論理的・直感的に分析す..
-
人工妊娠中絶の生命倫理と親子関係・養育責任を巡る葛藤:熊本市・慈恵病院の“赤ちゃんポスト”について少し前に幾つかのブログで、人工妊娠中絶の倫理的な是非にまつわる話題が出ていましたが、中絶の問題には『胎児の生存権・子どもの養育責任・堕胎の自己決定権・宗教的な価値観・セックスの特殊的価値』が関係してい..
-
物議をかもす思想を扱う専門誌面白いジャーナルが発刊されるそう。 タイトルは『The Journal of Controversial Ideas』。日本語に訳すなら、『物議をかもす思想誌』。 それも、サブカル..
-
数学的実在論と道徳的実在論のアナロジー数、関数、集合…などの数学的対象は、人類による発見なのか、それとも発明なのか。言い換えれば、それらの数学的対象は我々人間の存在とは独立に存在するものなのか、それとも我々の創作に過ぎないのか。 ..
-
ペーパークリップ・マキシマイザーとユーティリトロニウム・ショックウェーブペーパークリップ・マキシマイザー ペーパークリップ・マキシマイザーと呼ばれる思考実験をご存じだろうか。 これは、ペーパークリップをできるだけ多く生産しろと命じられたAIは、作業の効率化..