記事「忍法」 の 検索結果 82 件
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 5-55 凄惨極まりない死闘が展開されるこの山城の一帯を、えらく風雅な老人が歩いていた。絵師であろうか。筆を手にとり、和紙の上にさらさらと周囲の景色を写生しながら歩いている。「あや..
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天草NINPOUファイル 第四章 耶蘇無情 4四   聖餐会の時間が近づいてきた。 三雲京子は礼拝堂の正面にしつらえられた壇上で、今日の聖餐会の進行について、支部長らと、短く打ち合わせをしていた。京子は支部聖歌隊の指揮者だっ..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 5-44 美童溶馬は虚ろに歩いていた。篝火無間の忍法『影食らい』によって操られたままなのだ。その顔は、異なる存在に侵されたためか、以前にもまして妖艶な美を湛えていた。「溶馬」 声が降って..
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天草NINPOUファイル 第四章 耶蘇無情 3  三   疲れ切った顔がいくつも、囲炉裏のまわりにぼんやりと浮かびあがった。灯火すらない。貧しくて、菜種油が買えないのだ。村の庄屋ですら、だ。 寛永十四年の閏三月から四月に..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 5-33 「こっちの勾玉が八尺瓊曲玉。さっきの鏡が八咫鏡」 いともあっさりと銀九郎は解説した。 「三種の神器……とは。しかし三種の神器ならば伊勢神宮にあるはず」 家康は銀九郎の..
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天草NINPOUファイル 第四章 耶蘇無情 2二 三雲京子はシオン・キリスト教会の日曜学校求道者クラス教師だった。毎回、十人ほどが生徒としてやってくる。バプテスマを控えた者もいれば、ただ単に日曜日ごとにいろいろな教会に顔を出し..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 5-22 「野盗の群れが近付いておる……」 半蔵は沈鬱な声で言った。 「このようなときに済まぬが、今一度、お主の術を用い、野盗共をくい止めてくれぬか」 「は」 三蔵は..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 5-1第五章 甲賀の忍者戦記 1 生意気な子供だ。 遥はそう思った。 三助のことである。 「遥姐ちゃん。銀ちゃんのことが好きなのかい」 いきなりそんなこと..
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天草NINPOUファイル 第三章 末裔死戯 (七)七 豊かな髪と胸を波打たせながら、お超が悶える。もう三十分にわたり、縄の『治療』が続いていた。お超の息が荒くなった。 「あの……あの……」 「はい、なんですか?」 「なん..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 4-55 「まさに、魔界の戦いよな」 渦巻刑部の背後から、その声が響いた。 振り返りもせず、渦巻刑部は手裏剣を投じる。木隠准経がその手裏剣を打ち落とした。 木隠准経は今の死闘を見..
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天草NINPOUファイル 第三章 末裔死戯 (六)六 古代文字のように、縄が奇怪な形にくねりのたうち、半裸の女を縛りあげていた。空調はきいているのに、室内は妙に暑苦しく感じられる。女がもらす悦楽のためいきのせいだろうか。白衣を..
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夢幻忍法帖 ~忍法四十番勝負~ 4-44 木隠准経は穴山梅雪を連れて逃げていた。 蚓芭錐と螺緒との戦いの最中に、穴山梅雪を助けだし、担いで来たのだ。物見に出ていた一ノ瀬水城と合流するつもりだった。 彼は螺緒の術を..