記事「海外文学」 の 検索結果 165 件
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『ゴドーを待ちながら』 サミュエル・ベケット明日は、明日こそは。 夕暮れの田舎道、一本の木の下に二人の浮浪者、エストラゴンとヴラジーミルが立っている。彼らは待っていた。今日、ここに来る約束になっているゴドーという人物を。丸一日を待つのに費..
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『晩夏』 シュティフターもう一度だけ夏を。 若き語り手は地質学の調査をしている。ある日、雨宿りのため、丘のうえに建つ、壁に薔薇を絡ませた美しい邸を訪れると、老齢の主人が出てくる。邸のなかは芸術的な内装が施され、すぐれた..
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『ブリギッタ・森の泉 他一篇』 シュティフター大人の文学。 シュティフター初期の作品「荒野の村」「ブリギッタ」、晩年の作品「森の泉」を収録する。 「荒野の村」は「物悲しいほど美しい」荒野で暮らす少年の物語。自然界に漂う霊気を吸って生き..
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『森の小道・二人の姉妹』 シュティフター美徳の幸福。 心温まるシュティフターの短篇を二篇収録する。「森の小道」は、裕福さのなかで怠惰に陥った語り手が、療養のため訪れた保養地で森に迷い、そこで農民の女と出会い、その善良さに惹かれて彼女と..
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『オン・ザ・ロード』 ジャック・ケルアックさらば青春の光。 1947年から1950年にかけて、語り手はアメリカ各地を放浪する。徒歩で、ヒッチハイクで、バスで、鉄道で、自動車で。彼を路上へと誘うのは親友のディーン・モリアーティだ。ディーン..
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『ハムレット』 シェイクスピア仮面の男。 訳者を変えて何度めかの再読になる。あらすじについては以前に書いた『ハムレット Q1』の記事から転載する。 デンマーク王国のエルシノア。急死した王に代わって彼の弟のクローディアス..
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『こころ朗らなれ、誰もみな』 アーネスト・ヘミングウェイ趣味の問題。 ヘミングウェイの短篇を18篇と未完の長篇「最後の原野」を収録する。訳者好みの、「いわゆる男女関係を中心に据えた作品のほとんどない、代わりに、何らかの意味で壊れた人間を描いた、悲惨さ..
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『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロルきみを夏の一日にたとえようか。 5月のある暑い日。7歳の少女アリスが土手のうえで退屈していると、紳士のような白うさぎを見かける。彼女は追いかけて穴に落ちる。その先はノンセンスがまかりとおる不思議..
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『ペロー童話集』 シャルル・ペロー文学のふるさと。 17世紀末のフランス。文才に恵まれた宮廷人シャルル・ペローは晩年に民話、説話を収集し、ときに手を加えて一冊の本にまとめる。 今日のわれわれがよく知る「眠りの森の美女」「赤頭巾ち..
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『審判』 カフカあるいは「訴訟」。 30歳の誕生日の朝、銀行の支配人ヨーゼフ・Kは身に何の覚えもないまま逮捕され、無実を訴えるも空しく、31歳の誕生日の前日に町外れで処刑される。 幾度めかの再読。本作は『..
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『失踪者』 カフカあるいは「アメリカ」。 カール・ロスマンは17歳(16歳)。女中を妊娠させてしまったのでアメリカへ追放される。新天地での生活のあてはなかったが、偶然にも同じ船に伯父が乗っていたため、ニューヨーク..
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『母アンナの子連れ従軍記』 ブレヒト度胸アンナとその子どもたち。 17世紀、旧教と新教が争う凄惨な30年戦争まっただなかのスウェーデン。幌車を引き、軍隊に随行して戦場を転々としながら抜け目なく儲けを狙うのはドイツの女商人アンナ。彼..