記事「海外文学」 の 検索結果 166 件
-
『母アンナの子連れ従軍記』 ブレヒト度胸アンナとその子どもたち。 17世紀、旧教と新教が争う凄惨な30年戦争まっただなかのスウェーデン。幌車を引き、軍隊に随行して戦場を転々としながら抜け目なく儲けを狙うのはドイツの女商人アンナ。彼..
-
『おれにはアメリカの歌声が聴こえる』 ホイットマン抄訳『草の葉』。 19世紀アメリカ文学を代表する詩人ウォルト・ホイットマン唯一の詩集『草の葉』。この長大な詩集(岩波文庫の完訳版では三分冊)から19篇を収録。西欧諸国に並ぼうと凄まじい速度で発展..
-
『ソラリス』 スタニスワフ・レム未知との遭遇。 惑星ソラリス。赤と青の二つの太陽の周りを回り、ほぼ全面が海に覆われた、地球から遥か彼方の星。ここで生きている生命体はたった一種類、ソラリスの海だけだった。惑星全体を覆うこの海は巨..
-
『デ・トゥーシュの騎士』 バルベー・ドールヴィイふくろう党血風録。 フランス革命の時代、共和派と王党派の戦いが激化するなか、イギリスに逃れたブルボン家と、フランスに残った王党派との連絡士官を務めたジャック・デ・トゥーシュという若い騎士が、共和..
-
『第五の書』 ラブレー死者の書。 『第四の書』を刊行した翌年の1553年、ラブレーは逝去する。その11年後、カトリックとプロテスタントによる宗教戦争の最中に、ラブレー作として『第五の書』が刊行される。これはラブレーの..
-
『ドン・キホーテ』 セルバンテスさようなら、わたしの本よ。 再読、何度でも読む。17世紀初頭、スペインはラ・マンチャのある村。郷士(下級貴族)のアロンソ・キハーノは50歳を過ぎている。彼は騎士道物語を読み続けた結果そこに書かれ..
-
『六号病棟・退屈な話 他五篇』 チェーホフ非情の文学。 収録された7篇には医療や病いといったモチーフが共通する。アントン・チェーホフはまず医師であり、作家は本業ではなかった。少なくともそういう趣旨の発言を残している(「医学は正妻で文学は..
-
『火の娘たち』 ネルヴァル夢は第二の生。 再読。ネルヴァルが生前最後に刊行(1854年)した作品集。プルーストに霊感を与えたことで名高い「シルヴィ」は管理人があらゆる小説のうちでとくに偏愛する、もしかしたら最愛かもしれな..
-
『完訳 緋文字』 ホーソーン罪と罰。 1640年代のボストン。人々が見つめるなか、広場のさらし台に立つ一人の若い女がいる。名前はヘスター・プリン。衣服の胸に赤く刺繍されたAの文字をつけ、姦通の結果授かった赤子を抱いている。..
-
『嵐が丘』 E・ブロンテ荒野のヒース。 ロンドンの雑踏に疲れたロックウッド青年は、しばしの孤独を味わうため、ヨークシャーの荒野に建っている屋敷「嵐が丘」を借りて住むことにした。家主のヒースクリフに挨拶に行くと冷淡に対応..
-
『高慢と偏見』 ジェイン・オースティン第一印象。 イギリスはハーフォードシャー州ロングボーン村の地主ベネット氏には5人の娘がいて、上の娘たちは適齢期を迎えるが結婚の相手はいまのところいない。夫人は早く娘たちを片付けたくてやきもきして..
-
『散文小品集Ⅰ』 ローベルト・ヴァルザー散歩者の夢想。 いま管理人に読むことの喜びをもっとも与えてくれる作家の作品集の4巻(事情により3巻より先に刊行された)。ヴァルザーは35年の執筆期間に、短篇よりもさらに短い「散文小品」を千数百篇..