記事「私小説」 の 検索結果 125 件
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最後の恋 その2友人への電子メールの送信が終了し、PC-VANとの接続回線を切った直後だった。 電話のベルが、鳴ったのは。 「もしもし、わたし。 いったい誰と、こんな時間に長電話していたの。 もし..
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最後の恋 その1美月と出会ったのは、今から20年前の5月だったと思う。 会社の寮から通勤していた、あの頃。 朝の通勤電車、東急・東横線の中だった。 セーラー服が、よく似合っていた。 横顔がちょっと凛々..
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七夕の恋 その10彼女の親友に、もう一度会ってほしいとお願いした。 12月17日土曜日、武道館近くの目安門で。 彼女への想いを、ノートに記した。 そのノートを、彼女の親友に託した。 彼女と別れてから..
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七夕の恋 その9そして彼女は、彼女の親友にだけは自分の心の全てを語っていた。 結婚相手という人、けして悪い人ではない。 今は愛せなくても、いつかは愛せるようになるだろうと。 彼女は最後に、言った。 ..
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七夕の恋 その8彼女が去った後、全ての真実を知った。 彼女の親友と名乗る少女が現れ、彼女の結婚の理由を話してくれた。 彼女は、ある会社社長の一人娘だった。 父親が亡くなった後、会社を継がなくてはいけなか..
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七夕の恋 その7ホームに電車が入ってきた時、突然彼女は泣き出した。 胸の中に飛び込んで来てた彼女を、訳もわからずに抱きしめた。 発車のベルが鳴り、彼女は腕の中からすり抜け電車に飛び乗った。 ドアが閉まる..
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七夕の恋 その6ついに、その日が来た。 11月7日、アリスが後楽園で活動を停止したのと同じ日。 二人が出会ってから、1年4ヶ月の時が過ぎていた。 彼女は、もう来ていた。 約束の時間より、30分も早く着..
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七夕の恋 その56回目のデートは、前から約束していた谷村新司のコンサート。 二人でコンサートに行ける喜びと、彼女の言う大切な話に対する不安。 複雑な想いで、コンサートの日を迎えた。 この日の二人は、しっ..
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七夕の恋 その4そして、1年の月日が流れ過ぎていった。 再び稲村ヶ崎を訪れた、七夕の日に。 彼女とまた出逢えることを、期待しながら・・・。 でも本当に再会できるなんて、思っていなかった。 そこに、彼女..
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七夕の恋 その3次の朝、江ノ島から□マンスカーで新宿に出た。 江ノ電の稲村ヶ崎駅まで歩き、藤沢方面に向かう電車に乗った。 江ノ電の江ノ島駅で降り、小田急の片瀬江ノ島駅まで歩く。 そこで、片瀬江ノ島始発の□マ..
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七夕の恋 その2再び、彼女と目があった。 江ノ電の中で、出会った彼女だった。 海の岩場に彼女はたたずみ、真っ暗な海に視線を戻していた。 「どうしたの、そんな所で。」 「君も天の川を見に来たの、でも曇っ..
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七夕の恋 その1今から28年前の七夕の夜に、ひとりの少女と出会った。 大学1年の前期試験前ではあったが、4限目迄しっかりと授業があった。 ちょっと気分転換に天の川を見たくなって、鎌倉は稲村ヶ崎を目指した。..