記事「強い」 の 検索結果 1007 件
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五章 多すぎる見舞い客 続き天藍公主は、彼女らしからぬ表情で、それを眺めていた。桔梗荘の一室、ベットの上である。 掌に乗せたそれは、隆から渡された翡翠の指輪である。 返そう。天藍は、そう思う。しかし思うたび、内心に去来す..
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五章 多すぎる見舞い客著名人も多く住む高級住宅街として知られている中州区、小金台。 社会を底辺で支える大多数の人間の手には届かない、庭付きの瀟洒(しょうしゃ)な邸宅が、それぞれ独立するように立ち並んでいた。 予..
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四章 不協和音 続き臨海公園からでも、臨海スクエアの崩壊ははっきりと目撃できた。かつては、この公園の景観の一部となっていた超高層ビルの無残な最期に、公園じゅうの人々の視線が集中した。お陰で、その片隅に止まっていたバン..
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四章 不協和音 続き戦いは紂王と麟児の間だけで交えられたのではなかった。 仮面の剣士が主君に斬りかかるのを、聞太師は見逃すつもりはなかった。だが、そこへ水界の老将が踊りかかったのだ。 黄河陣の呪縛から解放され..
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四章 不協和音 続く一瞬で全精気を吸い取ってくれる。そうすれば、自分は完全に回復できる。そうすれば、激昂した孺子など恐ろしくは無い。 復活した魔女が目論見を実践しようとした瞬間、空間が歪んだ。壁のあるべき空間が揺ら..
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四章 不協和音 続き黒髪が麟児に肉する。しかし、麟児の頚骨が砕ける感触は伝わらなかった。最初の一手がかわされたのは偶然と思えた。次の一手がかわされたのは、自分の激情が狙いを狂わせている、と考えた。だが、三手目をかわし..
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四章 不協和音 続きパニックに逃げ惑う人々をかき分けるようにして非常階段を駆け上がった二人の前に現れたのは、頭の配線がショートした黒服の男たち――玉梓の私兵たちだった。拳銃を盛大に乱射して二人の進撃を妨害していた。 ..
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四章 不協和音 続き「これはどういうことじゃ!?」 玉梓御前は携帯電話に怒鳴り散らしていた。むろん彼女は、無粋なこの機械への不快感をぶつけているわけではない。 「この地震は何事か。なぜ妾に断りもなく要石を砕いた!..
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四章 不協和音 続き管理室は、警備センターと隣接したブロックに設置されていた。そこでは、二〇平方メートルほどの壁面じゅうに設置されたモニターを通して、全てのタワー内の場所を監視することが可能であった。 どれだけ財産と知..
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竹には素晴らしい意味がある竹の中身は空っぽで、強固な皮の部分の木と、節で出来ている 怒り・憎しみ・恨み・欲望・妬みが無い空っぽな心でいて、 どんなことがあっても悪影響を受けない強靭な心(竹の皮の部分の木の様に)を維持し..
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四章 響く不協和音 続き「尻に火がついているのが気がつかんのかね、玉梓御前。」 臨海スクエアタワーを訪れていた投資家唐沢竜介氏の不意の呟きは、同行者を戸惑わせた。 「何か不都合がございましょうか、唐沢先生?」 「…..
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四章 響く不協和音 続き「あの方がいけないのだ、あの方が――」 そう吐き捨て、玉梓は丁寧に整えられた爪を噛んだ。 天藍が眠る部屋の隣、海を見下ろせるゲストルームで、玉梓は先ほどから呪詛の声を漏らし続けている。 この..