記事「日経新聞」 の 検索結果 2588 件
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『黒書院の六兵衛』(162&163)どうやら勝安房守は、この組頭にはさほどやる気がないと読んだようである。 首筋に手を当ててしばらく考えるふうをしてから、安房守は文机に向いて何やら書き始めた。 須臾の間に偽の上意書を書き上..
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『黒書院の六兵衛』(160&161)思い起こせば昨年の十月十四日、天下の大政を朝廷にお還し奉ったそのときに、徳川幕府はのうなっておるのじゃ。ではそれから後のわれらは何者かというとな、幕府がないのだから幕臣ではない。徳川家という一大..
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『黒書院の六兵衛』(158&159)千石取りの旗本ならば、さぞかし贅沢三昧をしていると思うであろうの。 確かにそれなりの体面はあるゆえ、着るもの食うものは上等じゃよ。だが、体面は道楽ではない。おしきせの着物を着て、あてがいぶち..
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『黒書院の六兵衛』(156&157)「奥居にて、新年の祝儀をいたしおりまする。内々の儀にござれば、ご無礼ながら客間にてしばしお待ち下され」 夫婦の顔には、何ひとつ翳りがなかった。 わしは、おのれの頭がどうかなってしもう..
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『黒書院の六兵衛』(154&155)御書院番士総五百家の中でも、まずあれほど目の正しい御家は珍しかろう。 わしのよく知る御隠居などは、現役の当座いくらか酒が入ると、大坂の陣におけるご先祖様の働きぶりを、わが槍のごとくに語ったも..
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『黒書院の六兵衛』(153)金上げ侍。 ふむ。的矢家の噂は耳に入っておったゆえ、それは考えぬでもなかったの。じゃがしかし、よもやまさかと思うていた。 実を申すと、かつて御番付属の同心の家にそれらしきことかあった。 ..
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『黒書院の六兵衛』(148&149)その者は桜内藤七と申して、翌る慶応三年に三十六歳となる卯歳であった。 明日かたは総出で泊番という忙しい晩に、豆撒きの役など誰でもよかりそうなものじゃが、そうしたところは何につけても縁起かつぎ..
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『黒書院の六兵衛』(146&147)「次、的矢六兵衛」 「はっ」 名を呼ばれて立ち上がったのは、件の侍であった。 ここだけの話じゃがの、わしはそのときとっさに、(うろたえるな、落ち着ける)とおのれの心に命じたよ。 ..
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『黒書院の六兵衛』(144&145)さよう。すでに聞いておるのか。もとの的矢六兵衛は、こともあろうに悪い高利貸しに嵌ったのだ。 あの淀屋という金貸しは、ただものではないぞ。この数年来、とみに盛んな御家人株の売り買いには、あらか..
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『黒書院の六兵衛』(142&143)なるほど。話のあらましはわかった。 上意下達は武士の掟ゆえ、組頭のわしが命じねば的矢六兵衛は動かぬ、と。道理じゃの、それは。 わしはたしかに的矢六兵衛の上司だが、西の丸に上番せよなどと命..
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『黒書院の六兵衛』(140&141)「夜分、お邪魔いたす」 二人は帝鑑の間の大襖を開けた。的矢六兵衛は広敷のただなかに、すっくと背を伸ばして座っていた。 隼人は改まった口調で言うた。 「これよりそこもとが上司、御書院..