記事「日経新聞」 の 検索結果 2587 件
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『太陽の門』(78~83)第4章 カニャーダの花 マドリード西部戦線では、三つの百人隊(セントゥーリア)から成るフェデリコ・マチャード縦隊が十日間にわたって、数で優に十倍する敵部隊を足止めしていた。 敵はまもなく目..
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『太陽の門』(73~77)マドリードの夕暮れに、今日も弔いの鐘が鳴っていた。ゲルダは夫に、ファシストの少年は父親に、再会できたろうか。 「リカルド。いつごろ、帰ってくるんだい?」 戻りを待っていてくれる者がい..
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『太陽の門』(68~72)「要するに、奴らはハインケルの襲来に合わせて、一斉に打って出てくる。あんたたちのライフルは数発撃てば、銃身が詰まって、しばらく使えなくなる。詰替えの間に、第二班が撃て」 そばにいる太った民..
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『太陽の門』(62~67)ゲルダの視線の先には、スペイン貧農の草履がナチスの鉤十字を踏み砕くポスターが貼ってある。スペインではポスターが多用された。多くが字を読めないからだ。 「昨日の夜、パレスホテルの近くで、わた..
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『太陽の門』(56~61)「大佐の故郷はアンダルシアよ。有名な共和派軍人の家でね。家族、親族にはたくさん軍人がいたの。大佐が射殺させた隊のリーダーは、大佐の若い一人息子まで、交じっていた」 リックは愕然として、ゲル..
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『太陽の門』(51~55)あの時リックは、暴走する民兵隊のリーダーたちの説得にほぼ成功していた。 だがマチャードは突然、武装した一隊を動かした。 武器を持たぬ軍人たちは、抵抗さえしなかった。ただ、同僚たちによ..
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『太陽の門』(45~50)パリ——ラ・ベル・オロール 3 イルザ・ランドは、唾を飛ばしながら熱く語るサムのくりくりした眼を見つめ返した。 イルザの夫、チェコスロバア人のヴィクター・ラズロは、反ナチスの闘士だった。 ..
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『太陽の門』(40~44)ゲルダの撮った一葉の写真は、政府軍の軍用列車で前線へ向かう素人民兵たちの笑顔を捉えていた。列車には<UHP(プロレタリア兄弟連合) われわれは、恐怖政治に屈するよりも、死を選ぶ>とペンキで殴..
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『太陽の門』(35~39)「バルセロナでは、いい写真が撮れたのか」 「もちろん。マドリードとはまるで空気が違った。あの街では革命を撮ったわ」 「革命って奴は、ニカラグアの蛭みたいに血を好む。まだまだ流血が必要だろう..
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『太陽の門』(29~34)パリ——ラ・ベル・オロール 2 「どうしてリックの周りには、すてきな女性が集まるのかしらね」 サムはぎくりとしてイルザのすまし顔を見た。 リックが語った通りに伝えたつもりだが、サムが想..
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『太陽の門』(25~28)「――戦う意思を放棄した無抵抗の相手を殺す行為は、ただの殺戮だ。絶対に赦されはしない」 「意外とナイーブなのね。そんなきれいごとで、この内戦を生きていけると思って? 隊長に会えば、リックだ..
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『太陽の門』(19~24)「よくもまあ、この戦時下で、こんなにたくさんのお酒を手に入れたものね」 「ここの店主は食えない男だが、手品を使える。そのぶん値段はべらぼうだがな」 リックはラッキーストライクを咥えた。..