記事「TS」 の 検索結果 48 件
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『渡る世界・幸せの祈り』第四話その2痙攣を繰り返す、やせ細った体。 青ざめた顔で私の名を呼び続ける、両親。 慌ただしく、動き回る看護士。 緊急処置を繰り返す医師。 恐ろしい物を見るような目で、呆然と私を見続ける弟..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その8「冷たい・・・」 「きゃ!由美、どうしたの急に!!」 「けほ、こほ!ちょっと水がおかしな所へ入って・・・」 翼が急に『魔女』などと言い出すから、吃驚して飲みかけの水を吹きだしてしまっ..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その7ぱく、ちゅるん 「・・・・・・」 もきゅもきゅもきゅ 「・・・・・・」 こっくん 「・・・・・・」 ・・・・・・ 「・・・・・・」 「あのぉ~」 ..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その6ざわざわと、学生達が賑わうお昼時の食堂。 「翼は、何を食べるの?」 食券の販売機前に並ぶ私に、となりの列で同じく並んでいた由美が声をかけてくる。 「今日は、ミートパスタ(小)とサラダ..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その5月明かりの中、ぬめりの在る体表にその光を反射しながら、奴はダミーコアめがけ重力に逆らうように近づいていく。 「・・・・・・」 その姿を見ながら、紅緋は左手一本で器用に短剣4本を取り出すと、..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その4煌々と照らされる満月の灯りの中、夜色に染まる眼下には、暗がりに立ち並ぶ住宅。 今、あたしは上空150メートルほどの高度を、相棒の『紅緋』と共に、通称『杖』と呼ばれる『魔女』専用の『錬金造物』に乗..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その3ズルズルズルズル・・・ ぽつぽつと、佇む街灯に照らされる住宅街の暗がりの中。 ズルズルズルズル・・・ 闇に紛れる様に、ソレは移動していた。 「*∂⊿◇β・・・」 時折、人..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その2びゅん! すぱぁん!! 風を切って飛ぶ矢が吸い込まれる様に、射位から28メートル離れた、安土に設置されている的中央を射貫く。 (※安土とは、弓道の的を設置するための土盛りです。28メ..
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『渡る世界・幸せの祈り』第三話その1『翼』と『彼方』がお互いを其れと知らず、再開を果たした日から遡ること2日前。 金曜、0時を廻ろうとしている深夜。 「・・・残滓が残っているわね」 中心街の..
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『渡る世界・幸せの祈り』第二話その11「すみません、その帽子取って下さいませんか!?」 初めて彼女の声を聞いたのは、その言葉が最初。 お世辞にも大きな声ではなかった、それでも、街の喧噪を破って鈴の音の様に俺の耳に届いた時。 ..
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『渡る世界・幸せの祈り』第二話その10「たくさん、買ったね由美」 「まぁね、洋服を買いに行くって言ったら、臨時で2万円お小遣い貰えたしねぇ」 ブティックであれこれ試着しながら、買い物を楽しんでいると時間はあっという間にお昼近く..
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『渡る世界・幸せの祈り』第二話その8「え、えぇっ?なんで??つ、翼!ひょっとして歩けないほど体調が悪いの!?」 車椅子に座って待っていた私の姿を見た由美は、此方が吃驚するぐらい取り乱すと両手を震わしながら私の肩に乗せ、今にも泣きそ..