記事「ショート ショート」 の 検索結果 9 件
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「夢十夜」カチャリ。ドアが開く。 「れいばっく君、お誕生日おめでとう」 「ん? なんだお前、手ブラで来たのか」 「迷惑だった?」 「大胆だな。こっちへ来な。抱いてやんよ」 そんな夢..
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おまけ。明くる日。 「あ。宮本さん、おはようございます」 「おーぼうや、おはようさん」 また、ぼうやって……。 もう、なんど言ってもしょうがないな。 いつものツナギに野球帽を逆..
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「老作家」「後野レイ先生か……。あの人も、もう80代だろう。 大丈夫か? かなりボケがきてるという噂だが」 「まかせてください編集長。タイタニックに乗ったつもりで……」 「沈むだろうが! バカモノ..
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「お説教」「ママわぁー、今日もぉー、キレイだねぇー」 「もう、なにバカなこと言ってるのよ」 「何がキレイって歯がキレイ! なんつってハッハッハー」 「××ちゃん、あんた飲みすぎよ」 「る..
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「夫の一分」「あなたー、ちょっときてー」 リビングから届く、高く澄んだ声。 どうやらお呼びのようだ。 「ああ、食器を片付けたら、すぐにいくよ」 わたしは、拭き終えたスープカップを食器棚にし..
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「ある冬の思い出」しこたま飲んだ俺たちは。 積もりたての雪にズボズボと足を沈ませながら細道をゆく―― 大学の休みを利用してスキー場のアルバイトへ来ていた。 日本中から集まった雪好きの若者が寮で生活を共..
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「250」ある日曜日。 部屋で寝そべりながらテレビを観ていた。 壁掛け時計にちらりと目をやる。あと10分ほどで15時だ。 このくだらないバラエティ番組も、もうすぐ終わるだろう。 と。唐突..
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「ブッチャーさん」村田兆治みたいに胸を反らし、大きく振りかぶる。 目の前の球体に、ハンマーを叩きつけた。 どす黒い血と黄色の膿とが混じり合ったゲル状の物質が飛び散り、放射状にカンバスを染める。 ガシガ..
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「夏のシロクマ」きゃー! かわいいー! 黄色い歓声が飛び交う。 ぼくは、冷めた目でその声の出所、鉄柵の向こうの女子供たちを見る。 両腕で抱えた氷柱に齧り付きながら。 まったく参った。今年..
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