記事「ナナシ 完全版」 の 検索結果 27 件
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優しい悪夢ごめんなさいごめんなさいってさ、 お前よく謝るけど あやまらなくていいよ 忘れていいよ もういいよ 三年前。 親..
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終わりへの秒読[終わりへの秒読 0] 変わり始めたのはいつだっただろう。 終わりを予感したのはいつのことだったのだろう。考えても仕方ないことを考えながら、あのころを思い出す。 外を見れば大粒の..
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独白2電車に揺られて数十分。 窓から見える景色は少しずつ、見慣れた街から知らない景色に変わっていく。 いつしか、目的地に到着する。 いつかの彼の過ごした、僕が知らない街。 駅から..
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終わりに近づくそのまえに[終わりに近づくそのまえに 序] 呼吸をするのが苦しくなるようなあの話に移る前に、すこしだけ、 他愛ない普通の中学生だったころの話をさせてほしい。 カウントダウンの、そのまえに。..
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狼少年の墓標それはもう、いつのことだったか覚えていないが、たしか今日のように寒い中三の秋の日だったと思う。 どうしてそんな話が出たのかわからないが、いつもの帰り道、僕と親友の会話に「狼少年」という童話の話がでて..
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揺れてつかの間陽の当たる時間が短くなってきた頃の、ある日の夕暮れ。 僕はその日、掃除当番で教室に残っていた。同じ掃除当番だったクラスメイトの女の子はゴミを置きに出ていて、僕はひたすらチリ取りを動かしていた。 ..
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独白1平成二十年、一月六日。 僕は二十三歳になった。数人の友人たちや職場の同僚がお祝いの品をくれ、何人かとはパーティもどきのような席も設けた。 おおいに楽しく、シアワセな時間だったが、そこに僕の親友の姿..
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手向けた花学生時代、ある夏の終わりのこと。 蝉の死体もいつのまにか少なくなってすこし風も涼しくなってきたその日の夕方、僕は親友と墓場に出かけることになった。 その日は、何も肝試しをしようというわけではな..
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知らないしあわせ学生時代、二学期も半ばに差し掛かった頃。 僕らのクラスでは、なぜか『学校の怪談』というアニメが大流行し、今更ながらオカルトブームが訪れていた。 女子はこぞっておまじないなどにハマりだし、男子は肝試..
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きみが呼び出したかったものは学生生活も残り半年あまりとなった頃。 その頃すでに僕らは進学組と就職組に別れ、それぞれの勉強を始めていた。 僕とナナシは進学組、アキヤマさんは意外にも就職組で、その頃は次第に疎遠になっていた。 ..
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きみのて学生時代、まだ桜も咲かない3月のその日。 僕はクラスメートのアキヤマさんという女の子と、同じくクラスメートの友人の家に向かっていた。 友人は仮に名をナナシとするが、ナナシには不思議な力があ..
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恋煩いあの夏を迎えてから、僕は少しずつナナシが変わっていくような気がしていた。 アパートでの豹変振りはもちろん驚いたが、窓の向こうの「もの」を見たときの、ナナシの表情や言葉が、明らかに今までのナナシとは違..