記事「ファンタジー」 の 検索結果 7089 件
-
SFオタクの君へ・エンディミオン(3)で、なぜ途中から(と云っても、けっこう早い段階で)、「さほど頭の切れない主人公」になったかというと、たぶん、中途半端に賢くたって大した役に立たない展開だからだと思う。あくまで推測ですが(苦笑)。だっ..
-
カナン・その15「やめて、それ以上云わないで!・・・お願いだから、アスール」 少年の言葉を遮って叫び、シギリヤがわっと顔を覆った。丸めた細い肩が嗚咽に震える。だが我に返ったときは遅かった。とても正視できない表情..
-
カナン・その14「印が熱くなって目覚める前、おれ・・・回廊に誰かの気配を感じたんだ。たぶんターラだと思う。館中が寝静まったのを、確かめていたんじゃないかって」 そのうえで予め潜ませた蛇に護衛官を襲わせ、彼女自身..
-
カナン・その13怒りを押し殺した低い声で云う。灼けつくような激しい眼差しには、どこか痛いものが潜んでいた。少年の胸に深く食い入る何かが。 「印が以前からあった筈はない。ウィンダミアにいる間も、おまえのまわりには..
-
カナン・その12「まあいい。いずれあの女の過去は、改めて調査させねばならん。・・・おまえの云う通り、あの蛇に悪霊が憑いていたとしよう。呪術師によって一旦放たれた悪霊は、目当ての獲物を喰らわぬ限り満足しない。もし何らか..
-
カナン・その11シギリヤの待つ寝室へ戻ると、ザカリアは侍女のスクナを下がらせ、気難しい顔でシャツに腕を通した。薄衣にガウン姿のシギリヤが、その広い肩にローヴを羽織らせる。護衛官の亡骸はすでに然るべき場所へ移され、姿..
-
カナン・その10「おまえが何か、恐ろしいものを見たのはわかる」 娘の虚ろな目を覗き込み、ザカリアが辛抱強く話しかけた。 「だからこそ確かめなくてはならん。ターラが誰かの手にかかったのであれば、遠くへ逃げおお..
-
カナン・その9吐き捨てるように云うと、ザカリアは回廊を裏へまわった。開けっ放しの扉の傍らで、モナハンが見張りに立っていた。野次馬を近づけないためだ。視線こそ合わせたものの、双方とも無言のまま。かすかな明かりの瞬く..
-
忘れ得ぬ娘夜のしじまにふと、弦を爪弾く物憂げな音が流れてくる。あれはたぶん、新しく「Albatross Inn」の下宿人になった少年か、その同居人が奏でているのだろう。川に面した三階の部屋で窓辺に座り、心地よ..
-
あらすじ & ショートカットリンクEast of the Sun, West of the Moon ~「太陽の東月の西」・あらすじ~ ヘザヴィ王国ラルガ州の長官の息子として、五人兄弟の真ん中に生まれた13歳の少年アスール・..
-
カナン・その8罵りながらベットを抜け出し、ザカリアは素っ裸の体に素早くズボンだけ履いた。蒼白な顔のシギリヤを荒々しく抱きしめる。 「大丈夫だ、何も心配するな。・・・スクナ!」 長剣を引っつかむやザッとカ..
-
カナン・その7「・・・近づく、な。わたしが、欲しいのは・・・おまえの命ではない。どうでも、この女を・・・始末する。後戻りなど、できない」 暗い情念にしわ嗄れた声が、いずこからともなく陰々と響いた。インヤンはゾ..