記事「フランス文学」 の 検索結果 129 件
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フランス文学探訪18 ユルスナール「東方綺譚」の「源氏の君の最後の恋」2昨日の写真の女性版であり、十二単(ひとえ)姿です。 花散里は二ヵ月後、国司の妻に扮して輿に乗り、一晩泊めてほしいと申し出、源氏は快く応じますが、この時はすでに源氏は完全に目が見えなくなっていま..
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フランス文学探訪17 ユルスナール「東方綺譚」の「源氏の君の最後の恋」1写真は5月に京都の風俗博物館で撮ったもので、平安朝の貴族の部屋が再現され、当時の服装をした等身大の男女の人形が置かれていました。また「源氏物語」の一場面もミニチュアで作られていました。 ユル..
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フランス文学探訪16 「東方綺譚」の「死者の乳」3 「杜子春」でも「春のワルツ」でも見られる母の慈愛「死者の乳」は無常観も漂っている話です。写真は梅小路蒸気機関車館で撮ったものであり、今はSLなどと一部でもてはやされていますが、やがては過去の遺物になってしまうことは確実であり、そういう意味で無常観..
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フランス文学探訪15 ユルスナール「東方綺譚」の「死者の乳」2写真はこの小説とは直接関係はありませんが、別名「宝石の塔」と言われているカナリア諸島原産のエキウム・ウィルドプレッティーという花です。この6月に京都府立植物園で撮影しました。 さて、「死者の乳」..
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フランス文学探訪14 ユスルナール「東方綺譚」の「死者の乳」1これも「マルコの微笑」と同様、会話体の作品で、やはり船旅を続ける技師が、イギリス人に語る話であり、アルバニアの伝説の女性の話です。参考のため、アルバニアの位置を地図で示しておきました。アルバ..
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フランス文学探訪13 ユルスナール「東方綺譚」の「マルコの微笑」2セルビア付近の地図を参考のため載せました。 つかまったマルコは死んだふりをしますが、体は硬直化し、心臓の鼓動も聞き取れないほどの徹底ぶりでした。それはまるで「ロメオとジュリエット」の..
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フランス文学探訪12 ユルスナール「東方綺譚」の「マルコの微笑」114世紀にセルビアで活躍した英雄マルコが主人公の話ですが、私は寡聞にしてそういう人の存在を知りませんでした。彼はセルビアの王子であり、クラリェヴィッチ・マルコという名前でした。ドウシャン大帝の死後、..
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フランス文学探訪11 「東方綺譚」の「老絵師の行方」4 絵や物語などに入ってゆく話江戸川乱歩の作品に「押絵と旅する男」というものがありますが、人間が絵の中に入ってゆくという点で、「老絵師の行方」と共通しています。絵の中の女に惚れた男が、自分も絵の中に入っていく話ですが、その方法が..
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フランス文学探訪10 「東方綺譚」の「老絵師の行方」3 果心居士について果心居士を扱った作品として、小泉八雲の「果心居士のはなし」と司馬遼太郎の「果心居士の幻術」がありますが、内容も全く違いますし、関わる武将もずれています。前者は信長と光秀です。仏画を見せて仏の道を説い..
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フランス文学探訪9 「東方綺譚」の「老絵師の行方」2絵師の汪佛と弟子の玲は突然、天子の元に連れてゆかれます。どのような罪があるのかと問う彼らに対して、天子は自分は父が愛好した汪佛の絵で育ったため、世の中は絵のように美しいものだと思ってきたが、実際はそ..
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フランス文学探訪8 ユルスナール「東方綺譚」の「老絵師の行方」1「東方綺譚」は白水社のUブックスに入っている作品です。39年に初版されていますが、76年に改訂された際、ユルスナールはかなり文章を直しており、作品の数も10編が9編になっていますが、むろん、今読める..
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フランス文学探訪7 須賀敦子「ユルスナールの靴」フランスの女性作家ユルスナールの作品を取り上げますが、その手がかりとしてまずは須賀敦子の著書「ユルスナ-ルの靴」に触れたいと思います。作家ユルスナールのたどった跡を著者が訪ねるというものですが、ユル..