記事「信治郎」 の 検索結果 8 件
-
琥珀の夢(289)工場「赤玉」の出荷が増え始め、製造が店だけでは追いつかなくなっていた。しかし他所の工場を借りた葡萄酒造りでは、「赤玉」の品質管理が信治郎は心配だった。 ところが、新しい工場を建てるには肝心の資金がな..
-
琥珀の夢(254)寝ても覚めても何かの力が、その人に発見なり、新しいものを見出させるのは、当人が寝ても覚めても、そのことと対峙し続けていたからだろう。 信治郎は作業場の扉に錠をかけさせて丸二日こもった。奉公人が心配して釣鐘町の..
-
琥珀の夢(105)居留地に行くと、やはり苦情はあの外国人だった。中から以前と違う中国人の執事が出てきた。 信治郎は栓の取れた葡萄酒の替え1本に加え、2本の葡萄酒と、伊助から渡されていた銭の入った封筒をその執事に渡..
-
琥珀の夢(36) 腹の虫伊助は、信治郎の釣鐘町の家のことや大阪商業学校にかよっていたことも知っていた。学校に行っていたので夜の読み書き、算術の習いは免除された。 信治郎より年上らしい手代の男が1人、信治郎をにらみつけて..
-
琥珀の夢(34)「へぇ〜い」奉公人の部屋に行くと常吉が「一張羅で来たんか」と信治郎に尋ねた。母のこまの荷物の中に絣の仕事着が入っていたはずだと思いながら信治郎は返事に窮した。 「何を黙っとんのや。この店におる限りは聞かれた..
-
琥珀の夢(32)別れ小西儀助商店の店先の様子を見ながら信治郎とこまが立っていると、1人の男から声をかけられた。「やあ坊おはようさん」。信治郎を小西に紹介した男だった。 挨拶の品を自分で渡すと言うこまを、男は「坊は奉..
-
琥珀の夢(29)信治郎、奉公へ忠兵衛が妻のこまに信治郎の奉公先を伝えると、こまは反対はしなかったが気のない返事をした。忠兵衛は明日から信治郎を奉公先にやると伝えた。 こまは、せめて肌着やらでも支度が必要だと訴えたが、忠兵衛は..
-
琥珀の夢(19)忠兵衛は喜蔵に「好奇心」とは何かと尋ねた。「新しいものを見て、それがどんなもんかを知ろうとすることですわ」 そう言って喜蔵は、信治郎が大阪港で見た自転車のことを話して聞かせた時に、家族が皆感心し..
- 前へ
- 次へ