記事「古井由吉」 の 検索結果 48 件
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「仮往生伝試文」を読む(12) ー博打から往生までー貧しさ故に僅かな金も自由にならないために博打仲間になれずにいた下端侍が、女房の許しを得て、その女房が自分の着物を質に入れた金で、一度だけの博打で勝って、以前からの希望で出家した(140頁)。古今著聞..
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「仮往生伝試文」を読む(11) ー家にては殺さじー病気を得た妹を家で死なれては穢のために宮仕えの妨げになると知人宅に預けようとするが断られてしまう(112頁)。今昔物語集 巻29第18話 羅城門登上層見死人盗人語が出典のようである。 病人を持..
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「仮往生伝試文」を読む(10) ー羅城門と羅生門ー芥川龍之介の「羅生門」の原作ともいえる「羅城門」、古井由吉は二つの文を対比して死人の髪を抜く姿にいとうしさを見る(110頁)。今昔物語集 巻29第18話 羅城門登上層見死人盗人語が出典のようである。..
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25時間目を使う以外にどんな道も残されていないこんばんは、HITOIKIです。 今日も車で吉本隆明さんの講演を聞いています。 吉本の「25時間目」はかなり有名だから、知っている人も多いと思う。思想とは個人の観念の産物であるから、社会のせ..
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「仮往生伝試文」を読む(9) ー妻に隠して悪業に世を渡るーこんばんは、HITOIKIです。 こう始まると、なんでも話せる気がしてくる。きょうは、読書会の話をしよう。本好きの仲間3人で平成23年10月に始めた読書会。最初はエリック・ホッファーの「エリック..
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古井由吉「晴れた眼」(立ち止まる)講談社文芸文庫「聖耳」32頁「立ち止まりはしなかった。散歩の途中でも立ち止まったり振り返ったりすることを厭う日はある。振り返ったそのとたんに、何十年も見馴れたはずの風景のほうが歩みを停めて、こちらの馴..
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「仮往生伝試文」を読む(8) ー見知らぬ男を受け入れるー貧女が観音に参った後、見知らぬ男を受け入れたが、その男が盗人とわかると逃げ帰ってしまう(74頁)。今昔物語集 巻16第33話 貧女仕清水観音値盗人夫語が出典のようである。その後、女は逃げ去ってから、..
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「仮往生伝試文」を読む(7) ー妻には告げずー臨終の時にも妻には告げずにおくようにと弟子に言い残した僧の話である(69頁)。出典は明らかではないが、抄石集や発心集に記述があるようである。妻は夫の菩提を妨げるために連れ添ったとあるから、臨終の時に..
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「仮往生伝試文」を読む(6) ー哀しみの火焔ー大安寺の別当には美しい娘も仕えていた。その娘のところへ蔵人の某が通うようになり、昼寝の中で家の者が熱した銅の湯を呑んで焔と煙を吹き出していた(55頁)。宇治拾遺物語 第112話(巻9・第7話)大安寺..
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「仮往生伝試文」を読む (5)ー然るべし、然るべしー沙門蓮待は往生するために高野山に戻って来て、屍体を野に棄てて鳥獣に施せと遺言するが、屍体が浄地を穢すと言われると、「然るべし、然るべし」と答え、下山してしまう(48頁)。出典は「高野山往生伝」だろう..
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「仮往生伝試文」を読む(4) ー食、菩提を障へずー叡山の成意という僧は心にまかせて、普通なら僧は午後には食さないところを、朝夕と食らった。そして、普段より多い食を自分と弟子に分けて、その日に往生した(41頁)。今昔物語巻15第5話 比叡山定心院僧成..
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「仮往生伝試文」を読む(3) ーひとり芝居のひとり往生ー丹後の聖人が毎年大晦日になるとひとり芝居をして、極楽からの使いの手紙を自分で書いて、小僧に持たせ、あたかも極楽からの使者が来たかのように喜ぶ(18頁)。今昔物語巻15第23話 始丹後国迎講聖人往生語..