記事「吉村昭」 の 検索結果 135 件
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「蚤と爆弾」 吉村昭 著これは731部隊をモデルにした小説である。部隊長の石井四郎は、ここでは曾根二郎となっている。小説では曾根次郞は京都帝国大学の医学部を卒業した優秀な細菌学の研究者であるが、東京帝国大学医学部卒が学閥を形..
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「闇を裂く道」 吉村昭 著この本は丹那トンネルを開通させた物語である。小説というよりドキュメンタリーみたいな形式であり、大半の登場人物は実名とのことだ。 丹那盆地の下を通るトンネルで、この盆地は往古の火口の跡とも、湖の跡とも..
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「白い道」 吉村昭 著吉村昭のエッセイ集である。自身の戦争中の体験記がいくつか収録されている。当時、彼は日暮里にいた。そこで凧上げをしている時に、はじめて東京の空に飛来したドゥリットルのB25を目撃する。そのほか、戦争中の..
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「プリズンの満月」 吉村昭 著この小説は巣鴨プリズンの看守を務めたこともある刑務官を主人公にしている。はじめに、40年間の刑務官生活を終えた退職後の生活を描く。川釣りを趣味にして過ごしていた。この穏やかさが刑務官時代の張り詰めた生..
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「真昼の花火」 吉村昭 著吉村昭の短編と随筆を集めた本である。「牛乳瓶」、「弔鐘」、「真昼の花火」、「四十年ぶりの卒業証書」の4編が納められている。 「牛乳瓶」は随筆だが、著者の若い時、すなわち戦前に町にあった牛乳屋が、大手..
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「脱出」 吉村昭 著吉村昭の戦争を題材にした短編集である。「脱出」「焔髪」「鯛の島」「他人の城」「珊瑚礁」の5編が収録されている。 「脱出」は、終戦時にソ連が侵攻した樺太から北海道に脱出した少年の物語である。ソ連の..
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「洋船建造」吉村昭 著この作品は、幕末にロシアが日本との領土条約、通商条約を結ぼうと考えてプチャーチンが来航した時、安政の大地震でロシアの船が大破し、その代替となる船(西洋式)を日本の伊豆戸田で建造した時の物語である。 ..
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「黒船」 吉村昭 著この小説は、黒船が来航した時に通訳として立ち会った幕府通詞堀達之助の物語である。吉村昭の歴史小説は重厚で、対象人物の一生を共に辿るというか、生きていくような良さがあり、しみじみした読後感を持つ。 ..
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「天狗争乱」 吉村昭 著幕末の水戸天狗党の一連の騒動を書いた吉村昭の小説である。水戸藩は水戸光圀の『大日本史』編纂以来、尊皇の伝統があり、徳川斉昭の強いリーダーシップの元、尊皇攘夷の総本山のようになる。井伊直弼の開国を斉昭が..
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「光る壁画」 吉村昭 著吉村昭の小説はいい。これは胃カメラを開発した技術者たちの物語である。主人公は仮名にして、箱根の旅館の息子と設定している。そして妻が旅館に残って、母亡き後の旅館を守っていく。もちろん主人公は東京での仕事..
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「逃亡」 吉村昭 著吉村昭の小説の一つのジャンルに逃亡者を描き、その心理、状況を迫真の筆致で描くことがある。この小説も、その一つで戦時中、霞ヶ浦航空隊所属の整備兵(当時19歳)が、ひょんなことから謎の男に助けられ、その縁..
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「人生の観察」 吉村昭 著吉村昭のエッセイである。新書で一つのテーマで2~3頁程度で書いているから読みやすい。もちろん吉村昭の文才もあずかってのことである。私は吉村昭の小説は好きだが、興味深いエッセイも多い。世相に対する著者の..