記事「小西儀助」 の 検索結果 11 件
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琥珀の夢(129)儀助は「蜂印香竄葡萄酒」を一口飲んでしばらく目を閉じていたが、風呂へ行くと言って立ち上がり、「お前も飲んでみい」と言って部屋を出た。 信治郎は問屋の主人の無礼な態度にまだ腹をたてたまま、葡萄酒を..
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琥珀の夢(107)儀助は信治郎の話を聞いていた。 「赤門印には甘みの加減が足らんのと違いますか」信治郎がそう言うと、儀助は目を大きく開いて信治郎を見つめた。 儀助は驚いていた。自分が何年も探しているもの..
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琥珀の夢(105)居留地に行くと、やはり苦情はあの外国人だった。中から以前と違う中国人の執事が出てきた。 信治郎は栓の取れた葡萄酒の替え1本に加え、2本の葡萄酒と、伊助から渡されていた銭の入った封筒をその執事に渡..
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琥珀の夢(90)商人信治郎は儀助の奉公時代の話をじっと聞いていた。儀助が背中に傷を負ったのは、店が川の私の船賃を出さなかったせいではなかったと、儀助は言った。 少し遠回りをすれば浅瀬を渡れる段取りだったのに、儀助が..
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琥珀の夢(89)奉公傷のことを聞かれが信治郎が「すべって転んでもうて・・・」と答えると、儀助は、足元を見ないで歩いているようでは一人前の商人になれないと言った。 「す、すんまへん」あわてて謝る信治郎に儀助は、すぐ謝..
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琥珀の夢(49)夜鍋小西屋で奉公を始めて1ヶ月ほど過ぎて、信治郎は番頭の伊助に呼ばれ、その晩の儀助の夜鍋を手伝うように言われた。 手伝いの段取りは弥七に聞くように言われたが、弥七は何も教えてくれなかった。常吉に訪ね..
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琥珀の夢(46)小西屋の命風が出てきた。伊助が常吉を呼ぶ声が聞こえた。しかし常吉も富次もいないのを見て、信治郎は帳場に走った。 「風が出てきたさかい、表に水を撒き。それと二階の薬部屋の格子も閉じ」 信治郎は店の前に水を..
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琥珀の夢(45)気力と性根信治郎は小西儀助に、そこにいるだけで何もかもを一変させてしまう「人の力」のようなものを、生まれて初めて見つけて興奮した。 36歳にして小西屋の二代目となった小西儀助は、道修町でも評判の店主だった..
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琥珀の夢(44)主人・小西儀助信治郎は奉公人たちの一番後ろで、皆が主人に挨拶するのを聞きながら顔を上げた。「皆変わりはなかったか・・・」野太い声がその体軀をいっそう大きく見せた。 店の中をぐるりと見わたした表情は穏やかだが、..
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琥珀の夢(62)炭酸水信治郎は、久しぶりの実家の店を見て、奉公先の小西屋に比べて雑で緩いのを感じた。倉庫の前に積んだ炭酸水のような瓶物が上に置かれているのを平場に戻した。 休みの時までそんなことをする必要はないと笑う..
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琥珀の夢(41)夜明け暗い中を常吉が起きだす音で信治郎は目を覚まし、布団をはねて起き上がった。静かに起きろという常吉に「へぇ~い」と返事をすると「じゃかしい」と弥七の声がした。 もう一人の丁稚と3人で、井戸端で顔を洗..
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