記事「小説」 の 検索結果 36259 件
-
第25話 若者たち-3実のところ、シャルロットが発見された時のことを、アドルフは詳しくは聞かされていなかった。救貧院での奉仕の中で疫病をうつされ、病に苦しんでいるところを助け出されたというのが、アドルフに対してなされた説..
-
第25話 若者たち-2「アントワーヌと言いますの。お兄様。」 シャルロットは聖母像のように慈愛に満ちた笑みを浮かべた。 「ぼくが知りたいのはそんなことじゃない。いったいどうしてこんな赤ん坊がわが家にいるのかということ..
-
第25話 若者たち-1これまでのあらすじ 1685年、フランスの絶対君主ルイ十四世は、信教の自由を定めたナントの勅令を廃止し、カトリック以外の宗教を禁じた。これまで共存していたユグノー(カルヴァン派のプロテスタント)と..
-
第24話 絆-27リヴェール神父は険しい表情のまま、記憶に甦らせた人物に関する情報の整理に取りかかった。 『そう、たしか一六三五年八月一日、ボルドーの生まれであった。間違いない。あの男の消息を聞かなくなって何年にな..
-
第24話 絆-26ルール家にアントワーヌが生まれた日、セヴェンヌから遠く離れたパリ近郊の司祭館に居住する神父がふと何かを思い出したようにつぶやいた。 「あの男ももう六十歳になるか…。」 このつぶやきの主は、フラ..
-
第24話 絆-25シャルロットが予想したとおり、ルール氏の貴族としての規範意識は、おさなごを見たときに心の底から湧き上がってきた感情としばらくせめぎ合った結果、譲歩を余儀なくされた。 「ううむ…、しかたがない。その..
-
第24話 絆-24しかし、ルール氏が部屋に踏み込んだ時、ちょうどシャルロットは生まれたばかりの子どもに乳房を含ませようとしているところであった。ルール氏は赤ん坊を抱くシャルロットが、亡き妻の若き面影に重なって見えてし..
-
第24話 絆-23リュックはルール氏が怒ることは十分予想していた。そしてかねてから用意していた言葉を静かに告げた。 「私はもう十分長生きしてきました。若様のお怒りに触れて命を落とすことになっても悔いはありませぬ。ど..
-
第24話 絆-22シャルロットは妊娠していたのであった。体のだるさも食欲不振も吐き気もつわりのせいであった。慣れない生活の疲れがそれに輪をかけたので、通常よりも重い症状となって現れたのであった。 リザベットが強引..
-
第24話 絆-21ある朝、シャルロットは腹の痛みを訴えた。父親は心配したが、リュックは落ち着き払ってシャルロットの看護をリザベットに全て任せ、自分は寝室の外に出た。 シャルロットの容態はますますひどくなり、苦しそ..
-
第24話 絆-20シャルロットがルール家に連れ戻され、リュックが彼女の侍医として屋敷に行ったという話を聞くや、彼の妻リザベットも夫を追って屋敷にやってきた。彼女が夫婦はともにいなければならないと強引に主張した結果、彼..
-
第24話 絆-19冊子は、ローマ帝国の歴史家タキトゥスの『年代記』の一節、ローマの大火を描いた部分であった。これをディマンシュは原本から書き写し、さらにその解説とフランス語訳および初心者向けの文法書を付けて送ってきた..