記事「小説」 の 検索結果 36259 件
-
第19話 陥穽-4ポワーヴルは、ディマンシュの質問に答えた。 「君はこの二年間、学園の祭りに参加しなかった。三年前にはあれほど精力的に参加してくれたにもかかわらずだ。」 「そう言明しておいたはずだ。二年どころかこ..
-
第19話 陥穽-3しかし、ポワーヴルは、その学生の腕をつかんで引き止めた。 「待ってくれ、シブレット君! もし、ブライユ君に断られたら、ぼく一人でこれだけのものを持ち帰る羽目になるんだぜ。それに、君だって、ブライユ..
-
第19話 陥穽-2「ポワーヴル君、私は祈ってはいたが、涙ぐんでなんかいなかった。君の見まちがいだ。」 「そうかな。少なくともぼくにはそう見えたが。なんだか深刻そうな雰囲気だったし。」 「当たり前だ。私はあらためて自..
-
第19話 陥穽-1これまでのあらすじ 1685年、フランスの絶対君主ルイ十四世は、信教の自由を定めたナントの勅令を廃止し、カトリック以外の宗教を禁じた。これまで共存していたユグノー(プロテスタント)とカトリックの人..
-
第18話 クリストフ-29クリストフが裏庭への出口を開けると明るい日差しが入ってきた。シャルロットは一瞬まぶしくて何も見えなかった。次第に外の明るさに目が慣れてきたころ、最初に見えたのは敷布の山であった。その敷布の山の間から..
-
第18話 クリストフ-28シャルロットはそのあまりの不気味さに不安と恐怖を感じたかと思うと、急に息が苦しくなり、めまいがしてきた。 『この人は、いったい何を知ってるのかしら。わたしの考えていることがわかるのかしら。』 「..
-
第18話 クリストフ-27その次の日、シャルロットはもう一度救貧院を訪れた。訪れるたびに部屋がきれいになり、病人たちも目に見えて元気を取り戻してきた。シャルロットの訪問は、病人たちに清潔な環境と滋養に満ちた食事をもたらした。..
-
第18話 クリストフ-26「まあ、何かしら。?」 手紙の宛名にはシャルロットの名が書かれてあった。 「わたしに?」 その手紙がディマンシュからのものでないことは筆跡ですぐにわかった。以前に彼の書いたものをアルから受け..
-
第18話 クリストフ-25何かしている方が気のまぎれるシャルロットにとって、この用事を言いつかったことはありがたかった。シャルロットは久しぶりに教会の書庫に入り、目当ての本を探した。本棚には埃が積もっていた。多くの本はもうど..
-
第18話 クリストフ-24一方、屋敷に戻ったシャルロットは父親の部屋を訪れた。実際、父親のことも心配だったからであった。 「シャルロットかい?」 「ええ、お父様。ご気分はいかがですの。」 「ああ、昨日よりはだいぶいい。..
-
第18話 クリストフ-23「お嬢様、どうしたんだぁ。」 クリストフのかけた声で、シャルロットははっと我に返った。 「えっ?」 「お嬢様が慣れない仕事でお疲れになるようなら、すぐにやめさせるように、院長先生から言われてる..
-
第18話 クリストフ-22シャルロットは、寝台に横たわっている病人の手を次々と握りながら励ましの言葉をかけていった。しかしながら、アルが姿を現して、シャルロットと再会する場面はなかった。 『あいつはどこにいっただぁ? せっ..