記事「小説」 の 検索結果 36261 件
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第15話 手紙-16アルの手つきがいかにも鈍重なのを見かねてガブリエルが口を挟んだ。 「辛気くさい使い方をするもんだね。手で破った方がよっぽど早いよ。」 アルは母親の言葉には何も答えずに、黙って封筒から手紙を取り..
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第15話 手紙-15ディマンシュの次の手紙が到着したのは、ちょうど一六九一年の聖誕祭の日だった。 「ちょうど一年前にあの子がやってきたんだったねえ。」 ガブリエルはしみじみと昔を思い出すように言った。 「今年は..
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第15話 手紙-14奈落の底に落ちたような気分になったところで、アルは目を覚ました。雪はひとかけらも降っていなかった。 『おれは最低だ!』 アルは、こんな奇異な夢を見たことをひどく恥じた。 『兄貴はおれがシャル..
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第15話 手紙-13アルはもうこの質問を何度繰り返しても無駄であることがわかった。そこでしかたなく別の質問をすることにした。 「ジュネーヴで楽しい?」 「もちろんだとも。毎日が充実している。先生方はみな深い学識と高..
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第15話 手紙-12その夜のセヴェンヌはひどく冷え込んだ。 アルはなかなか眠れずにおり、外をぼんやりとながめていた。すると、粉雪がちらついてきた。雪はすぐに大雪になり、見る間にあたりは一面の銀世界になった。そして、..
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第15話 手紙-11ディマンシュの手紙の封が開けられたのはマテューが帰った後だった。アルは自分が出した手紙についてディマンシュが何というか気になって、自分ひとりで読む勇気がなかった。しかし、母親にそれを気取られないよ..
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第15話 手紙-10「でも、オーギュストが死んだ時の方が、もっともっと寂しかったよ。それに比べりゃ、なんてことはないよ。あの子がちゃんと元気でいることがわかっているんだから。それにまたここへ戻ってくるって言ってたんだよ。..
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第15話 手紙-9マテューはいつになく緊張していた。オーギュストが生きていた頃から何度も訪れた家ではあったが、たいていはジャンやマルクといっしょであった。したがって、彼一人でこの家の中まで足を踏み入れるというのは実は..
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第15話 手紙-8マテューだった。 「やあ、アル、どこに行こうとしているんだい。さっきリュックじいさんのところに寄ったら、ちょうどジュネーヴからの手紙が来ていたから、持ってきてやったよ。」 「ありがとう。マテュー..
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第15話 手紙-7「アル、さっきから何度ため息をついているんだい。こっちまで気が重くなるじゃないか。」 ガブリエルの声にアルは我に返った。 「えっ? そんなにため息なんかついてたっけ。」 「ああ、うるさいぐらい..
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第15話 手紙-6残された自分の寂しさを別にすれば…、とアルは思ったが、そんな愚かしい考えが浮かんだのをすぐに恥じた。 『もう子どもじゃないんだ…。いつまで兄貴に頼っているんだい。兄貴はいつか戻って来るんだ。その時..
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第15話 手紙-5そのころセヴェンヌの山々には、秋には付き物の強い季節風が吹いていた。この風が吹きはじめると、人々はそろそろ冬支度を開始するのであった。その主な仕事は、熟した栗の実を拾ってきて、いがをはずしてさらに皮..